ポーランドの冬は暗く、ほぼ青空は望めない。毎日雨、雪、風、が目まぐるしく変わる。今年は暖かいらしいが、冬の雨は本当に悩ましい。

おかげで12月の後半からずっと体調が悪かったのだが、親切な学生が病院について行ってくれたり、教室の帰り車で送ってくれたりしてくれて、最近ようやく外に出るのが苦痛でなくなった。

その車で送ってくれる学生が、相撲のトーナメントに出るという。

ぜったい、応援に行きたいと思っていたら、KoiKoi基金の方から誘いがあったので、ぜひということで、相撲のヨーロッパチャンピオンシップの地区予選の会場にいけることになった。

相撲会場では、女子と男子に分かれ、トーナメントとは言っていたが、見ていると、総当たり戦、つまりリーグ戦だった。たった一日で、体重別に分けられてはいるものの、人数の多いクラスはたぶん10数回の対戦があるハードなスケジュールに見えた。

そこで、今回女子相撲を初めて観戦した。ネイルを絆創膏でぐるぐる巻きにして取り組みを始めようとした選手が、審判にその場で切るように言われ、監督が爪切りをもって出てきたのには、ちょっと笑ってしまった。彼女は相当悔しかったに違いない。

また、大盛りのつけまつげを付けた選手もいて、取り組みが終わってもびくともしない大きなつけまつげの粘着性に感心したり、男子とは違う面白さ、また10代の女の子たちの中でもまじめに練習を重ねてきたのがわかる取り組みを見て、ちょっと感動したりで、“ああ、たにまち、やりたい!”とすっかりアマチュア相撲のファンになってしまった。彼女たちの“美”と“格闘”の微妙なバランス、男子よりおもしろい、かも。

相撲は太った体の大きい人たちのスポーツだと思っていたが、やせていてもできるという当たり前のことに初めて気がついた。

ただ、肉布団がないだけに、見ていて本当に痛そうだった。

あ、私の学生?100Kg以上クラスで3位。相撲を初めてたった2か月で、本人も“わけがわからない”、とのこと。