2025年2月3日
第4回ジェロナグーラ便り
ジェロナグーラ大学
小 山 良 夫
■雪のない暖かい冬:
-前回も書きましたが、今年の冬はとても暖かく、雪もほとんど降らずあまり冬らしくない冬です。部屋の暖房も朝起きると冷たくなっていて、暖房の湯を循環させるほど気温が高いのですが、代わりにシャワーのお湯が冷たくて閉口しました。過ごし易くて良いのですが、雪のない冬は何か物足りない気もします。
-日常生活にはもうすっかり慣れて、定期的な買い物や、自炊を主体とした食事、洗濯と掃除、外出時のバスの利用など、すっかり居住者としてのリズムができました。火曜・水曜・木曜日の授業のある日は、教案のチェックや配布資料等の準備、また授業後の出欠記録と宿題のチェックなどで結構忙しいですが、週末をはさんだ金曜日と月曜日は、教材原稿の作成と大学でのコピーを済ませると、自由な時間がかなりあります。
-こちらの日曜日は、日本の感覚からするとちょっと変わった一日です。まず街中の商店は全部閉まっています。そして私の住んでいるアパートのほぼ真向かいに、中規模の教会があるのですが、昼前になるとたくさんの人が車で集まり、小さな子供も親に手を引かれ、家族そろってミサに参加するのです。そこここでお互いに挨拶を交わし、教会がコミュニティーセンターの役割を果たしているのが良く分かります。
-日曜日に、気分転換をしに町の中心部にバスで出かけますが、商店が全て閉まっていて、買い物はできません。でもレストランやカフェは開いていて、結構たくさんの人が食事やおしゃべりを楽しんでいます。私は、ブラブラと散歩をした後、ふと思いついて地元の博物館に入ってみました。人はほとんどおらず、閑散としています。英語の翻訳ガイド機をもらい見学を始めましたが、地方の歴史や産業、特にワイン産業の変遷の展示が面白く、2時間余り誰もいない静かな博物館を堪能しました。
-今月は、1月17日(金)に在ポーランド日本国大使館主催の、新年賀詞交換会が開催され、ICEA派遣の日本語教師も招待されましたので、木曜夜の授業を終了後、翌朝一番の航空便でワルシャワに移動しました。会にはICEAからポーランドに派遣されている12名の日本語教師のうち、8名が参加しました。赴任後初めて顔を合わせる人たちも多く、2時間余り日本食を堪能しながら歓談して、久しぶりに大変良い交流の機会となりました。
■日本語の授業の状況:
-1月30日(木)にWinter Semesterの授業(4カ月、15週間)が無事終わり、翌日から大学は試験期間に入りましたので、日本語の授業もそれに合わせて暫くお休みとなりました。次期のSummer Semesterは、3月4日から始まります。
-学習者数は、10月のスタート時点で5クラス76名でしたが、1月30日には50名に減少しました(約3分の2)。これは単位取得を伴わない講座制の日本語授業の場合、やむを得ないことなのですが、やはり途中から出てこなくなる学習者がかなり増えると、教師としては残念な気がします。
-他方でポジティブな面に目を向けると、50名の継続学習者の中で、皆勤賞(15回全出席)が10名、準皆勤賞(14回出席)が9名、2回欠席(13回出席)が11名と、合計30名が特に熱心に授業に参加したことが分かり、少し安心ました。
-週1回(90分)の授業ですから、教科書の進み方は余り速くはありません。初心者クラスはひらがな・カタカナを終了後「げんきI」の教科書が第3課に入ったところ、1年既習者は「げんきI」の第10課、2年以上の既修者は「げんきII」の第15課の半ばです。
-隔週水曜日に実施してきた、日本文化紹介のための“Japanese Club”は、4カ月の間に8回実施しました。内容は、①折り紙(1)、②折り紙(2)、③妖怪・アニメ映画(もののけ姫、蟲師)、④音楽アニメ(ピアノの森)、⑤囲碁(9路盤)(1)、⑥囲碁(9路盤)(2)、➆書道①、⑧書道(2)で、参加者は各回で増減はありますが、平均約17名でした。
-特に囲碁(9路盤)については、2回の“Japanese Club”での紹介の後、自主的な囲碁の会合を別途3回開き、数名の有志による“囲碁9路盤クラブ”が発足しました。
-また先日、日本国大使館の主催による“日本語弁論大会”が、来る3月29日に開催されるという情報を入手しました。そこで、2年以上既習クラスの学生1名に内々で打診してみたところ、参加に興味を示したので、今後適宜指導しながら大会参加に向けて準備をしたいと考えているところです。
(以 上)