2025年5月3日
第7回ジェロナグーラ便り
ジェロナグーラ大学
小 山 良 夫
■初夏のような陽気:
-4月中旬から5月にかけて晴天の日が続いて、まるで初夏のような陽気でした。外を歩く人々はみな半袖やTシャツ、若者は半ズボンや短いスカートをはいています。それでも早朝はまだ10度以下に下がるので油断はできません。来週はまた少し涼しくなり雨も降るという予報で、三寒四温の季節変化はこちらでも同じです。
-このひと月は、イースター休暇と5月初めの連休が余り間を置かずにやってきて、学習者たちも学校に出たり、帰省したりを繰り返して、あまり勉強に集中することができないようでした。私も週末はイベントがあったり、訪問者が来たり、こちらが訪問したりとなかなか忙しい時期でした。
-まず4月12-13日に、イレニアグーラの体育館で「桜・日本フェスティバル」という名の催しがありました。お店がたくさん出るというので、日本食の美味しいのが食べられるかと期待しましたが、すしとおにぎりの出店が1件のみで、あとは中華やベトナム、ジョージア、トルコ、ポルトガルなどの屋台が並んで、名前倒れでした。でも地元の人たちは楽しんだようで、連日大勢の人が訪れていました。
-4月18日-20日には、ポズナンからK先生が訪問して下さり、旧市街や近郊の公園をご案内したり、森の中を散歩して森林浴を楽しんで頂いたりしましたが、イースターの期間中お店やレストランがほとんど閉まっていて、外食をすることができず苦労しました。
-翌週末の4月25日-27日は、イレニアグーラに赴任されているO先生のご紹介で、私が現地を訪問し、高齢者福祉財団が主催するイベントで、折り紙のワークショップを2回にわたって実施しました。英語とポーランド語の通訳を介してのワークショップでしたが、現地のシニア世代を中心に延べ24名ほどが熱心に参加して下さり、課題の4つの折り紙を全員が完成し、上映した折り紙関連のDVDも楽しんで頂けたようです。
ワークショップの後、財団の代表者Jさんが自ら運転して下さって、近郊の地域ミニチュア博物館、歴史博物館や日本庭園などをご案内頂き、大変暖かくご歓待頂きました。
-5月1日-4日の連休は、当地ジェロナグーラのワインセラー・ブドウ園祭りが開催されています。旧市街の近くにある20余りのワインセラーがこぞってオープンして、当地が所属するルブシュキー県にある46か所ほどのブドウ園で栽培されたブドウを使った、地元産のワインを楽しむ人たちで町は賑わっています。
■日本語の授業及び関連活動:
-4月末までで、夏学期の8週目が終了し、残りはあと7週間となりました。
-初心者クラスの3グループ(A, B, C)は、まったくゼロからスタートして「ひらがな」「カタカナ」を学習のあと「げんきI」の第1課から始めましたが、このまま予定通り進めば「げんきI」の第6課を終える予定で、動詞のて形を学習したところで終了となります。修了者の内20名ほどが、今後も日本語の学習を続けると予想されます。
-初級継続グループ(D)は、「げんきI」の第8課から始めて「げんきII」の第13課に入ったところで終了の予定で、動詞・形容詞・助詞などの基礎を一通り終わり、可能動詞に入ったところです。このグループは最も熱心なグループで、脱落者も一番少なく、今後も日本語の学習を継続していく学習者が15名程度いると思われます。
-初中級グループ(E)は、「げんきII」第13課からスタートして、第18課を終了する予定で、初級としては、動詞の受け身・使役と敬語を除いて、ほぼ全てを終了したことになります。このグループは当初、かなり優秀な学習者が多くいたので期待をしましたが、残念ながら途中諸事情で脱落したものが多く、4人のみが継続して学習する予定です。なお、この4人の内2人はまだ高校生であり、その内の一人は今年の日本大使館主催の日本語弁論大会に参加した実力の持ち主で、今後の成長が楽しみです。
-私としては、当大学での日本語講座は、日本語の上達を目指すことは当然のことながら、いかに楽しく日本語の勉強を継続してもらうかを主なテーマとして意識してきました。このために教材も、「げんきI, II」の他に様々な副教材を使用したり、“Japanese Club”を企画したりして、日本文化に親しんでもらう機会を設けるよう努力してきました。
-これまで隔週に1回のペースで実施してきた”Japanese Club”の企画は、4月2日の第10回(俳句)以後少しペースを落とし、4月30日に第11回目を実施しました。この日は授業の2コマを使った拡大企画とし、これまで話す機会の少なかった「日本全体の紹介」をテーマに日本の地理・歴史・経済・文化などの概要をPPTを使って説明しました。参加者は20名を数え、最近日本を訪問した学習者も何人かいて、質疑応答も具体的な内容があって盛り上がりました。後半は、日本のカードゲームを実施し、全員が4つのチームに分かれて対戦して、チャンピオンを決めるものでしたが、最終ラウンドに残った4人が全員女性だったのが印象的でした。
(以上)