今日は学生と一緒に、ワルシャワまで茶道の体験に日帰り旅行へ行ってきました。
わざわざ茶道のためにワルシャワへ?と思われるかもしれませんが、実はワルシャワには、ヨーロッパでも随一と言われるほどのお茶室があるんです。それはワルシャワ大学の新図書館の中にある「懐庵」というお茶室なんですが、待合の小石に至るまで、すべて日本から材料を運び、日本の職人さんによって建てられたという本格的なお茶室です。そして、こんなふうに体験でお茶室を使わせていただけるのは、ヨーロッパではポーランドくらいなものだと聞きました。
主催はワルシャワ裏千家の協会寸心会です。
お茶室に入れるのは最大11人くらいということだったので、今回は2回に分けてお願いして22人で行きました。(といっても、残念ながら行けなかった学生もたくさんいて、機会があればまたぜひ行きたいと思っています。)
普段はポーランド人のお茶の先生(京都の裏千家で修業をされた、日本語堪能、身のこなしも日本人以上にしとやかでいらっしゃいます)が催してくださるそうなんですが、なんと今日は、日本人のお茶の先生が亭主をつとめてくださいました。実は同じ週にワルシャワ大学で日本週間があり、茶道でうつ病患者を癒すという研究をなさっている茶人の方が、論文発表のためにワルシャワにいらっしゃっていたんです。光栄と感じるとともに、両者とも大変お忙しい中、私たちのためにお茶会を準備していただいたことをありがたく思いました。

お茶会は、ポーランド人の先生のご指導のもと、つくばいで手と口を浄めるところから始めます。

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“にじって”お座敷に上がります。敷居や畳のへりを踏まないことは最低マナーとして事前に学生に伝えました。床の間で挨拶をします。掛物は「和敬清寂」。亭主と半東と11人の客、ぎっしりお茶室に入りました。

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正座をして姿勢がいいです!でもさすがに最後まで正座を保てた学生はいませんでした・笑。
まずは亭主から一人ひとりの名前と、好きなことなどが聞かれました。その人を知ることで、心をこめたお茶を立てたいというお気遣いです。

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お菓子は、日本から取り寄せていただいた(!)、秋らしい、麦こがしと、いちょうの印のみそせんべいです。みそせんべいは軽い触感が学生にとても好評で、日本に行ったら買いたいという学生までいました。

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学生はたどたどしくも、「お点前ちょうだいします」、「お先に」「どうぞ」「ご相伴いたします」「どうぞ」という言葉を覚え、所作をこなし、お茶をいただきました。

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蒔絵棗と茶杓の拝見もしました。和やかな雰囲気で茶会はすすみ、気が付くと1時間の予定をオーバーしてあっという間に時間が過ぎていたことには皆驚きました。
学生の感想をいくつか紹介します。<※原文は英語>

●とても楽しかったです。お茶は本当においしかったし、お茶を飲むといつも元気になります。お菓子は変わっていましたが、おいしかったです。お茶室の雰囲気もとてもよく、きれいな茶碗や茶道具もすばらしかったです。しかし一番感銘を受けたことは、私自身がとても落ち着けたことです。先生が説明してくださった和敬清寂を感じることができました。お茶室を出たときには、自分の心と精神が浄められて、心配事がどこかへ行ってしまっていることを感じました。

●いろいろな意味でお茶会を楽しみました。一番驚いたことは、お茶会の間、頭の中が鮮明だったことです。ストレスが多い日常とは全くの別世界でした。日本の文化や伝統を知ることは、本当に素晴らしくて、忘れられない貴重な体験でした。

●これまで茶道の催しに参加して、抹茶を飲んだことはありますが、客人として一連のお茶会に参加したのは今回が初めてです。お茶もお菓子もとてもおいしかったです!そしてお茶室の雰囲気はとてもよくて、日本のお茶室にいるような感じがしました。全然緊張することなく、心はとても落ち着いていました。ちゃんとした作法を教えていただけたことや、心のこもったおもてなしに感謝しています。

●お茶会が1時間半も経っていたと気付いた時には驚きました。お茶室で、そんなに時間が経っていたとは気付かなかったからです。だから、お茶会が入念に準備されたものだったんだと気づきました。そんなお茶会に参加できたことをうれしく思うし、あの時の感動は忘れません。

…学生がこんなに茶道や和敬清寂の精神を少しでも理解して、充実した貴重な時間を過ごせたことを本当にうれしく思いました。