4月は夏時間が定着し昼の時間も次第に長くなってきて、5月1日時点で日の出が午前5時6分、日没が19時51分でした。4月の天気は晴れたり小雨が降ったりの繰り返しでしたが、最近は快晴の日が続き気温も最低が0度を下回る日はなくなって、5月1日の気温は2℃~19℃でした。宿舎の暖房も4月の最終週には止まりました。COVID も4月に入ってほぼ完全に収束し、街中ではマスクをしている人が全く見られません。

大学の日本語授業は、Advanceクラス1、Beginnerクラス3の4クラス体制でそれぞれ予定通り順調に進んでおり、6月中旬の学期末までこのまま継続して進める予定です。学習者数は、学期初め当初30名ほどでしたがその後徐々に減少して、4月末現在の継続受講者は17名となっています。次年度の日本語クラスの継続に関しては、大学学長と担当学科長との会合がウクライナ避難民への対応等で遅れ、当初の3月初旬決定の予定が延びのびになっていましたが、4月27日に無事契約の更新が決定したとの連絡がありました。

Koi Koi Foundation(日本文化紹介グループ)の活動に関しては、継続的な活動として4月から私が講師で「折り紙教室」を開催することになり、4月13日(水)に第1回目を開きました。その後教室は毎週水曜日(16:00~17:30)に、6月15日まで全8回のシリーズで開催することとなり、4月中に13日、20日、27日の3回開催されて、それぞれ4名、7名、9名の参加者がありました。4月18日には、一時日本帰国中だった池田有希子さんがジェシュフに戻り、第2回目の折り紙教室を手伝ってくれました。この他にKoi Koi Foundationの活動として、毎週金曜日に囲碁クラブの会合が続けられており、経験者・初心者併せて常時毎回10名近くの参加があります。

ICEA派遣在ポーランド日本語教師連絡会の第2回目会合が、4月3日(日)午後3時より開催され、7名の教師と2名のオブザーバーが参加して、各教育現場の現況報告に加え下記の1,000羽鶴プロジェクトの中間報告が行われました。「1,000羽鶴プロジェクト」につきましては、前回の報告で概要を紹介しましたので重複は避けますが、その後参加4校での教師と生徒による折り鶴制作は順調に進み、予定通り4月14日~18日のイースター休暇期間中に4名の日本語教師がウッジに集まって、1,000羽鶴の仕上げ作業を行いました。その結果、最終的に2セットの1,000羽鶴を制作することができました。なお当初の予定では、制作した1,000羽鶴は在ワルシャワ・ウクライナ大使館に寄贈する予定でしたが、同大使館がウクライナからの避難民への対応に忙殺されて、1,000羽鶴寄贈への対応が取れそうもないことが判明したので、代替の寄贈先についてプロジェクト関係者で検討しているところです。なお本プロジェクトについては、現在ジェシュフに臨時に設置されている日本国大使館連絡事務所に勤務している在ウクライナ日本大使館員より、ウクライナ大使館のフェースブックとツイッター(いづれもウクライナ語)で紹介したい旨5月2日に打診がありましたので、快諾致しました。

2月24日の隣国ウクライナへのロシアの軍事侵攻から2か月が経過しました。その間に200万人を超える大勢のウクライナ避難民がポーランドに流入し、ウクライナ国境に近い当地ジェシュフにおいても、多数の避難民の受け入れや通過などの緊急対応に追われましたが、幸い混乱や事故等はほとんど起こらず、地元の人々の生活にも大きな支障は生じずにこれまで事態は平穏に推移してきています。このような多数の避難民の一時的な流入に際しても、地元の自治体やボランティアの人たちは整然と対応しているように見えます。他方で日本のウクライナ避難民への対応のニュースを見ますと、数百人程度の避難民を受け入れるために、法令の改正や特例措置が講じられたなどと報じられ、何か大騒動をしているように見えます。過去の歴史的な経験とも関係あるのかもしれませんが、私としては、今回のように隣国で突発した大規模な非常事態に対しても、日常生活のリズムを崩さずに自然体で対応しているように見えるポーランド社会の、柔軟性と強靭さの一面を垣間見たようで、驚きと同時にある種畏敬の念さえ感じます。

ジェシュフ工科大学にて、

小山良夫