2023年6月3日
第8回ヴロツワフ・レポート
ヴロツワフ経済大学
小 山 良 夫
■春から夏へ:
-この1カ月の気候の変化は驚くほどです。まずほとんど毎日晴天の日が続くようになりました。気温は早朝こそまだ10℃を下回ることもありますが、日中は20℃を超え、25℃~30℃近くになる日も出てきました。花の季節は終わり、樹々の緑が日々濃さを増してきました。
-人々の服装も、気候の変化を反映して涼しげになってきました。特に若い学生の服装は気候の変化に敏感で、男子は短パンにTシャツ、女子は短いスカートにおなかを出したセパレーツのタンクトップもちらほらして、夏の陽光を大いに楽しんでいるようです。
■日本語授業の様子:
-日本語の授業も残すところあと3週間、初級のクラスは2クラスともすっかりみな顔なじみになり、教室に入ってきてから授業が始まるまでの短い時間に皆おしゃべりをしながら、色々情報交換をしているようです。
―初級クラスは、「げんきI」のテキストの方は順調に進み、両クラス共11課まで終了して残すところあと1課となりました。クラス内では、出席率が良く読み書きもかなりスムーズにできる学生と、休みがちでまだ仮名の読み方もおぼつかない学生と、習熟度にばらつきはありますが、皆クラスに来ることを楽しみにしていて、元気よく挨拶をして入ってくる学生達を見ると、8カ月近く教え続けてきた成果が見えて、嬉しさを感じます。
―教科書「げんきI」とワークブックの基本教材以外に、ウエブを通じて「多読」や「会話」の教材を活用し、学生も自由にアクセスできるように推奨してあるので、興味のある学生は、授業終了後も自分で学習できるはずです。
―漢字は前回報告したように、第1学期から自由提出の宿題にして、提出結果を毎回表にして全員が見られるようにしていましたが、提出する学生としない学生がはっきりと2分して、その結果進歩がみられる学生とそうでない学生との差が大きく開いていおり、今後の自主学習に当たって、どの程度影響が出るか心配でもあり、今後の課題です。
―中級クラスは、1カ月ほど韓国旅行に行っていて4月は欠席した学生が戻ってきて、また少し賑やかになりました。やはり参加学生数が2人と3人では授業の活気が大きく違います。(特に2人の場合は、1人が休んだ時は個人授業になってしまいます。)
―3人の間でかなり実力差があるので(各4級、3級、2級程度)、ニュース、読み物、文法、おしゃべりの各分野毎に教材の選定が難しいですが、時にはレベルに合った別々の物、時には共通の物を選んで、3人のダイナミズムが生きるように配慮しています。最近は、ニュースと読み物は、自分のレベルと興味に合った教材を選んで、発表してもらう形にしていますが、教材の選定に自分の関心を反映できるのでより積極性が出てきました。
-ポーランド語のクラスも最終段階に入りました。授業は難しい発音と、ボキャブラリーの問題で相変わらず四苦八苦ですが、それに加えて動詞の現在形と過去形の活用が出てきて、正直お手上げ寸前です。早く終わってほしいと思っています。
■文化的な活動:
-「波」での「折り紙教室」は、5月5日に全8回を終了し、10名中8名に修了証と日本から取り寄せた折り紙セット(各50枚ほど)をプレゼントとして終了者に手渡しました。その後複数の参加者から、出られなかったクラスのレビューをしてほしいとの要望があり、5月12日に追加の教室を行って、最終回に出席できなかった2名にも修了証とプレゼントを手渡しました。なお特別参加者として、当地訪問中のT大学のN教授が参加され、皆と一緒に折り紙を楽しんでおられました。
-「波」で新規に発足した「阿波踊り」のグループ「波連」の練習が第2・第4土曜日にあり、新たに女性4名、男性1名が参加して、かなり賑やかになりました。他に指導者として、Sさん(女踊り)、Yさん(篠笛)、小山(男踊り)が加わり、5月10に帰国されたMさん(男踊り・太鼓)の穴を埋めるべく、ビデをを見ながらの練習に汗を流しました。
―知り合いのU氏から、6月17日(土)にヴロツワフ大学で開催される公開会議で、何か発表して欲しいとの依頼を受けました。そこで昨年ジェシュフで発表した「日本の妖怪」について報告できますと答えたところ快諾されました。その後、正式のプログラムが出来上がってきたのを見ますと、当日の私の発表は15:45から約30分となっていますが、その日は「阿波踊り」の練習日とも重なっており、かなり忙しい日となりそうです。
―Erasmus交換留学プログラムで、日本からT大学のN教授が1週間ヴロツワフを訪問され、5月11日に開催された大学の国際協力部主催の懇親会で、他国からの訪問者(ボスニア・ヘルツェゴビナ、ルーマニア)と共にお会いして、お話をする機会がありました。(翌日N教授を「波」にご案内し、先述の「折り紙教室」にご参加頂きました。)
-5月6日(土)にヴロツワフ大学において、ポーランドに音楽留学している日本人学生によるピアノコンサートがあり、T先生と共に久しぶりの演奏会を楽しみました。
-6月2日(金)にM先生と共にLegnicaに行き、かねてからM先生を通じて依頼のあった「折り紙ワークショップ」の打合わせを、Legnica市役所の責任者Aさんと行いました。来る6月16日(金)に20名ほどの高校生を対象に、2時間ほどのワークショップをして欲しいということで、会場の下見を行いました。そこは大変設備の整った会場で、特に問題がありませんでしたので、2週間後の開催を約束しました。その後同市のシニア市民の施設を訪問し、6月中に同様のワークショップをしてもらえないかと依頼がありましたが、即答は避け後日連絡するということにしました。
(以 上)

 
