ポズナン外国語大学 活動報告書
① 週末コースについて

本大学は、珍しく週末コースを設けている。昨年担当した学生たちは第一期生として、今年の9月に卒業した。夜間コースを設けている大学は多いが、週末コースを開講している大学は少ないようである。
日本語を学びたい学生にとって、週末のみ開講されているコースがあることは大きな魅力であり、ワルシャワ、クラクフ、ルブリン、シュチェチンなど、ポーランド各地から学生が集まっている。
週末コースも平日コースと同様にカリキュラムが組まれており、同じく3年間で卒業が可能である。学生は毎週ではなく隔週で大学に通い、前期・後期ともに8回の週末(金・土・日)に集中して授業を受ける。そのため、遠方から通う学生はポズナン市内のホテル等に宿泊しながら通学している。
学生の多くは仕事を持っており、普段はそれぞれの居住地で働いている。そのため、やむを得ず欠席する場合も見られるが、限られた時間の中で集中して学習に取り組んでいる。
しかしながら、現実は厳しい。1年次には20名のクラスが2クラスあるが、徐々に離脱者が出て、最終的な3年次には約20名となり、1クラスに減少する。平日コースに比べて登校回数が少ない中、仕事と両立しながら日本語学習を継続することは容易ではなく、その努力は高く評価されるべきである。
3年生の話によると、最終学年まで残る学生の多くは、入学前から何らかの形で日本語を学習していたという。強い意志と覚悟を持って入学していることがうかがえる。
② 指導実践
(1)口頭試験について
昨年10月から日本語学習を開始した1年生に対し、口頭試験を実施した。試験は一人あたり約5分で、①簡単な質問への応答、②ます形からて形への変換、③絵カードを用いた会話の3項目で構成した。
まず、番号を書いたカードを人数分用意し、無作為に引かせて試験順を決定した。学生全員を一度廊下に出し、番号1のカードを引いた学生から順に入室させて試験を行った。
一対一の対面形式で試験を行うのは初めてであったため、学生たちは非常に緊張している様子であった。しかし、「今朝は何時に起きましたか」「大学まではどのように来ていますか。何分かかりますか」「朝ごはんは食べましたか」といった簡単な質問から始めることで徐々に緊張がほぐれ、その後の課題にも落ち着いて取り組むことができていた。
現在は『みんなの日本語』の練習Cを担当しており、90分で2課を進めるペースで授業を行っているが、今回のような口頭試験を通して、学生の発話力を個別に確認し、自然な会話力を育成する機会の重要性を改めて実感した。
時間的制約のため毎回実施することは難しいが、今後は代替手段として、日記を音声で録音して提出させる課題なども検討している。
(2)漢字指導について
現在、平日コース三年生および週末コース三年生の漢字授業を担当しているが、授業回数は学期中に7回と限られている。1回90分の授業が7回のみであるが、今年度は他の科目で『上級へのとびら』を使用していることから、その準拠教材である『とびら漢字』を採用した。
昨年度は『Basic Kanji』『Intermediate Kanji』を使用していたが、これらは他教員の授業でも使用されており、複数の授業で同一教材を扱うことに難しさを感じていた。今年度は教材選定に制限がなかったため、自身の裁量でテキストを選択した。
『とびら』で扱う文章と連動して漢字を学習することは、学習内容の関連性を高める点で有効であり、各課終了後には小テスト(ZAL)も実施しているため、評価もしやすいと感じている。
そのような中で、三年生にとって最終学期であることも踏まえ、学習の成果を形として残す活動を取り入れたいと考えた。そこで、各自が選んだ漢字一字を色紙に書く課題を実施している。
本大学では、日本文化を紹介するような行事がほとんどなく、学生が文化的活動を体験する機会が限られている。私自身は着物や茶道具、書道用具などを日本から持参しているが、授業はカリキュラムに沿ってテキストを進め、評価を行う必要があるため、文化的要素を十分に取り入れることは難しい状況である。
そのため、授業内で可能な範囲として水習字を取り入れている。テキストの区切りの良い時間、残り20分から30分を活用し、好きな漢字一字を選ばせて練習させている。その後、色紙に墨で清書し、落款印も各自が小筆を用いて朱書きする予定である。また、自分の名前をどのような漢字で表すかについても考えさせている。外国人名を漢字に変換するアプリなども紹介し、それらを参考にしながら選定させている。
学生たちは非常に意欲的に漢字を調べ、自分にふさわしい一字を選ぶことに熱心に取り組んでいる様子が見られた。通常のテキスト問題に取り組む場合よりも主体的で、楽しみながら学習している点が印象的であった。
ポーランドで日本語を学ぶ学生は、日頃から漢字の書き方や画数を正確に覚えることに努めており、試験でもその正確性が求められる。しかし、教室外で漢字を使用する機会はほとんどない。そのため、学習の成果を形として残す経験をさせることには大きな意義があると考える。
限られた授業時間の中ではあるが、このような体験的活動を通して、学生にとって印象に残る学習機会を提供できたと考えている。