大学の日本語クラスは通常午後4時に始まりますが、外はもう真っ暗で、生徒たちが入室するときの挨拶は「こんばんは。」です。初心者クラス5クラス初級クラス1クラスの計6クラスで、当初1クラス15~16名が登録して約90名ほどで始めた日本語クラスでしたが、6回目の授業が終了した現時点で、1クラス11~12名ほど合計約70名に人数が減ってきました。ボランティア・クラスなので、本専攻の授業が忙しくなってきたり、興味本位で始めた学生が授業に着いて行くのが大変になったりすると、人数が減るのはやむを得ないようですが、今年の場合はこれに加えて新型コロナウイルスの影響もありそうです。

12月に入り、日の出は7時12分日の入りは午後3時31分と、一層日中の時間が短くなってきました。今日の気温は-3℃~4℃と既に日本の真冬並みで、学内を歩く学生たちはフードのついた防寒コートや毛糸の帽子を身に着けて足早に歩いています。初雪が先日降りましたが、積もるほどではありませんでした。太陽の出る日中は風が強くなければ仲々快適です。

ポーランドでは、今年の6~8月にかけて新型コロナの感染者は減少していましたが、私が赴任した9月末ごろから次第に感染者が増加し、現在では感染の第4波が押し寄せ、このところ毎日2万人を超える感染者が報告されています。一般にマスクの着用は、公共交通機関やスーパーマーケットなどではしている人が多いのですが、それ以外の場所では着用していない人がほとんどといった状態です。

大学の授業でもこちらがマスクをして学生にも着用を促さないと、着用しない学生が多くいます。最近は大学の教員が陽性となり、その授業が1週間オンラインになったので日本語の授業に出席できないといった生徒が徐々に増えてきており、これも学生の出席率にマイナスに働いています。クリスマス休暇が始まる12月23日まであと3週間足らずとなりましたが、コロナ感染が急増せず、熱心に毎回の授業に参加している学生たちが、今後も継続して授業に出てこられることを願っています。

今回特別に報告したいことに一つに、ジェシュフ地域を中心に日本文化の紹介をするグループ、「Koi Koi Foundation」がスタートしたことがあります。このFoundationは、我々日本人の協力を得ながら、日本語の教育や日本文化の普及活動をしていこうという目的を持った自主活動組織です。創立者は、ジェシュフ工科大学で私の受け入れのアレンジをして下さった、Dr. Mateusz Szal氏と奥様のMonikaさんで、去る11月11日に市内で発会式が開かれ、趣旨に賛同する人たち約30名が集まりました。その場には日本人の現地協力者として私と、元ICEAの派遣でジェシュフ大学で日本語を教え、現在もジェシュフに滞在している池田有希子さんが招かれ、池田さんは集まった方々に日本語紹介のプレゼンを、私は折り紙のプレゼンテーションを行いました。

その後「Koi Koi Foundation」は、11月20日(土)には地元のNGOグループが主催するイベントに招かれ、私と池田さんも和服姿で参加して折り紙の紹介活動を行いました。この場にはジェシュフ市長も顔を見せ、Dr. Mateuszによる囲碁の紹介や、日本滞在経験のある若者による「日本紹介」も行って、「Koi Koi Foundation」は発足間もないにもかかわらず、存在感を示すことができました。

「Koi Koi Foundation」は、毎月11日に定例の会合を持って日本紹介活動を行うほか、市内や近隣の様々なイベントなどにも積極的に参加する予定にしており、我々日本人(今のところ2人)もそれらの活動に友情参加して、日本紹介のお手伝いをすることが期待されています。当面の予定は、12月11日にクリスマスの折り紙教室、12月12日にはジェシュフ・コミックス・アカデミー主催のイベントに参加して、日本の紹介をすることになっています。

ジェシュフ市内は、12月に入りぼちぼちクリスマスの飾り付けが始まりました。これからは一層日が短くなり、寒さも一段と厳しくなってくると思いますが、初めてのポーランドのクリスマスシーズンを現地で体験するのを楽しみにしています。新型コロナウイルスは、新種のオミクロン株が広まりつつあり、ポーランドの感染拡大はこれからも予断を許しませんが、数少ない自衛手段のマスク着用に気を配りながら、毎日の日本語の授業に引き続き取り組みたいと思っております。

それでは、良いクリスマスと新年をお迎えください。

ジェシュフ工科大学のアパートにて、

小山良夫