2月に入って暖かい日が続き、雪は視界から完全に消えました。時々思い出したように小雪がぱらつく日がありますが、積もるようなことはなくすぐに消えてしまいます。毎朝の川沿いの散歩でも、白鳥が凍った川の上で戸惑っているようなことはもうありません。
大学の日本語授業は1月31日に冬学期が終わり、学期末試験とそれに続く休暇の時期に入りました。最終授業の時に配布した”Term End Review Sheet”(期末評価シート)が徐々に記入されて届くので、それを集計・分析して今後の授業の参考にするつもりです。10月の授業開始時には88名が登録しましたが、1月末の期末時には52名に減少しました。このため、新学期には継続学習者のクラスを6クラスから4クラスに再編成し、新たに生徒を募集して2クラスを新編成することをMateusz先生と相談しました。しかし多くの違ったレベルの学生を作るのは教師側の負担を増すことにもなるため、3月に入って外国語学部側の意向で新規生徒募集は取りやめとなり、夏学期はこれまでの継続学習者を対象にクラスを再編成して、4クラス体制で実施することが決まりました。
Koi Koi Foundation(日本文化紹介グループ)の活動として、2月に入って日本語教室への応募が1名あり、私が臨時講師として4回ほど初心者授業を実施しました。この授業は3月から私の大学の授業が始まるため一時中断し、4月中旬以降に新たな日本語教師により、新規応募者と併せてKoi Koi日本語教室として正式にスタートする予定です。
また2月11日にはKoi Koi Dayのイベントとして、ポーランド人第1号のプロ囲碁棋士を招いて「囲碁イベント」を開催し、前回報告したジェシュフ囲碁クラブのメンバーなどが集まって、活気のある行事となりました。
また2月26日には、ジェシュフ旧市街の地下にある「地下道探検ツアー」が企画され、私の他カザフスタンとロシアからの留学生が参加して、旧市街の地下にある地下道を巡りながらジェシュフ市の歴史を学ぶユニークなイベントを楽しみました。
2月6日(日)にはICEA本部の呼びかけで、ポーランドに赴任中のICEA派遣日本語教師のオンライン会合が実施され、ポーランド各地から13名の日本語教師が参加して、活動の概要などの相互報告等が行われました。この会合の後、現地派遣教師の横のつながりの重要性が認識され、ICEA本部の好意で派遣日本語教師相互のEメール・アドレスの共有が行われて、現地連絡網が一応出来上がりました。更に自主的な活動として、月例のICEA派遣日本語教師オンライン連絡会を、毎月第1日曜日の15~16;30に開催することとなりました。(第1回は3月6日(日)に開催の予定。)
常々報道されていたように、ロシア軍がウクライナ国境に多数集結し国際紛争の緊張が高まっていましたが、遂に2月24日にロシアによる隣国ウクライナへの一方的な侵攻が行われました。この後ロシアのウクライナ国内侵攻は多方面に急速に拡大し、国際社会からの一致した批難と制裁の発動にもかかわらず、首都はじめ主要都市への非人道的な無差別攻撃と、それに対するウクライナ政府と市民の抵抗は、泥沼化の様子を呈しています。
ウクライナから大量に発生した避難民は、西部のポーランドをはじめスロバキア、ハンガリー、ルーマニア等へと押し寄せ、国連難民高等弁務官によると国境を越えた避難民は3月1日現在で66万人、国内避難民も100万人を超えたとのことです。
当地ジェシュフはウクライナ国境から約100kmの至近距離にありますが、現在のところ市民生活には直接の影響はありません。しかし更に国境に近く鉄道駅のあるPrzedmyslには鉄道による避難民が次々に到着しており、また国境の町のKorczowa には多数の避難民収容キャンプが設けられて、報道によると30万人以上のウクライナからの避難民が既にポーランド側に脱出したそうです。
このような事態が今後どの位継続し、我々のポーランド滞在にどのような影響を及ぼすのか仲々予想が難しい状態ですが、今後も注意深く事態の推移を見守りつつ安全確保に努めたいと思います。
ポーランド国ジェシュフ市ジェシュフ工科大学にて、
小山良夫

 
