10月
日本語授業
始まりは10月の2週目から。私の担当は月曜日に90分の大人クラスが2コマ、火曜日から木曜日は60分の子どもクラスが3コマの、合計5コマです。Foundation波では、全体的にカリキュラムや使う素材などは任せられており、基本自由です。前の方が「げんき」をつかっておられたので、それを指針としてやって行く予定です。
大人クラス①は教材(げんき)の6課から始めていますが、レベルにばらつきがあり少し調整する必要がありました。大人クラス②は、かなり日本語が話せる生徒さんが揃っていて、教材はなく毎回トピックを何個か考えておいてそれについて自由会話をする流れです。ポーランドの教育、政治など、深い話も出てきます。子どもクラスは個性もレベルも様々で、教材(げんき)をそのまま進めるには遊び要素が足らず、工夫が必要です。アニメが好きな子にはその要素を取り入れたり、カルタとりやビンゴゲームをしたりしています。
現地生活
日本からはワルシャワ着の飛行機で。ワルシャワから電車で5時間ほどでヴロツワフです。Foundation波には授業の始まる5日ほど前に到着しました。ここのディレクターのご夫妻が、ヴロツワフ中央駅まで車で迎えに来てくれました。到着は夜だったのですが、手早く滞在先の部屋やキッチなどの説明を受け、その日はゆっくり休むことができました。
授業が始まるまでの数日間のうちに、担当の方が携帯のSimカード設定や交通機関のパスを購入するお手伝いをしてくれました。Foundation波は旧市街(街の中心)までトラムで20分ほどの場所にあります。定期パスを買えばその期間は自由にトラムやバスに乗ることができとても便利です。
普段の買い物は歩いて5分くらいのところにカルフール(Carrefour)という大きなスーパーが、反対側に5分歩くとジャプカ(Zabka)というコンビニのようなものがあります。カルフールはショッピングモールに入っていて、たいていの日常雑貨はそこで揃います。
文化
ヴロツワフは都市としての歴史も長く、大変魅力的な街です。

旧市街はトラムで20分くらいのところにあります。街の中心であるマーケット広場(Rynek)や塩の広場(Plac Solny)のカラフルな建物、数ある教会。その街並みはまるで中世のヨーロッパで、テーマパークの中に紛れ込んだようです。
塩の広場は昔、塩取り引きをしていた場所だそうです。今はお花屋さんが並んでいます。

街の中心部には人が集まり、カフェやレストランでゆったりと歓談しています。オルガンなどの楽器を弾いている人もよく見かけます。音楽と美しいヴロツワフの夜のコンビネーションは幻想的。
人口60万人以上の大きな都市ですが、時間は日本よりもゆったり流れているように感じます。
11月
日本語授業
2ヶ月目の11月は少し生徒たちとも慣れて、日本語のポットキャストや多読のミニ本など、テキスト以外のものを取り入れる余裕もできました。大人のクラスは様々な理由で日本語を勉強している人がいますが、日本へ旅行へ行きたい、の他に日本のアニメを理解したい、文化を知りたい、という理由で勉強している人も多いです。テキスト以外の日本の世界を知ることが、勉強のモチベーションになっているようです。
子どもクラスは、まだひらがなをスムーズに読めない子も多く、テキストのダイアローグなどを繰り返し読む必要があると感じています。話す練習より読む練習が苦痛になるのは、どの言語でも同じ。苦痛が和らぐように面白い読み物がないかなあとネットを探しています。漢字の勉強(書く)のは好きな子が多いです。象形文字は特に楽しいようで、漢字に興味を持ってもらうためには私自身が漢字の語源などについて知っておく必要があるなと思いました。
現地生活
11月だというのに、雪がたくさん降りました。さすがにこの時期に降るのは珍しいことらしく、ポーランド人もびっくりです。Namiの周りはたくさん積ってなかなか溶けないので、買い物などに出かけるときは下を見て慎重に歩かなければなりません。と思っていたら上から溶けた雪がぽとぽとと、なんてこともありました。上も下も見て最新の注意を払って歩きます。ブーツは必須です。
なんとこの寒さに負けて、風邪をひいてしまいました。薬や水分を買ってきてもらったり、色々こちらの人にお世話になりました。数日寝ていたら治りましたが、言葉がわからないところで病気になるのは不安なものです。健康の大切さを改めて認識しました。
文化
ヴロツワフでは11月末からクリスマスマーケットが始まりました。

クリスマスマーケット開会式の日に行きました。とても寒い日で、みなさん重装備。市長さんの挨拶、音楽、出し物、お店。かなり大きな規模のクリスマスマーケットではないかと思います。寒すぎてホットワインが進みます。
子ども向けのアトラクションも多く、小さい子がもこもこに着せられて、はしゃいで遊ぶ姿はクリスマスマーケット以上に見ものでした。
12月
日本語授業
12月、ここNamiではクリスマス会が開催されました。日本語クラス部門、そしてその他たくさんあるクラブ(剣道、居合道、歌、阿波踊り、アニメなど)がそれぞれ出し物を発表しました。私の受け持ちのクラスは子どもが多く、会に参加しない人も多かったので全てのクラスをまとめて一つの発表としました。ちょうど日本ではゲゲゲの鬼太郎の最新映画が話題になっていましたので、日本の妖怪について日本語でそれぞれ説明し、最後にゲゲゲの歌を歌いました。クリスマスにはちょっとふさわしくなかったかもしれません。
12月は生活が忙しくなるのか、ちらほら欠席者がいたので授業を進めるのが少し難しくなりました。クリスマス会の発表の練習もあったので、ちょっと進みがゆるく、どのクラスも1ヶ月で「げんき」の一課の半分くらいしか終わりませんでした。一週間に一度の授業なので、常に今までやったところを意識的に何度も授業中に復習して定着を図っています。
現地生活
12月は少し寒さがやわらぎ、活動しやすくなりました。こちらはクリスマスは家族で過ごす大切なイベントで、店はクリスマス前後全て閉まってしまいます。こちらのコンビニZabkaが時短で開いているくらい。25日にはZabkaさえ閉まっていました。当然レストランなども閉まってしまうので、買い物は計画的にしないと食べるものにさえありつけません。
授業はクリスマス前から10日ほど休みになりましたので、ドイツのドレスデンへ一泊旅行へ行きました。ここヴロツワフからドレスデンへは電車で3時間ほど。クリスマスマーケットの閉まる時期に重なったので、ホテルも高くはありませんでした。ドレスデンは人口規模はここより小さいですが、都会で洗練された雰囲気でした。大きなアジアマーケットがあり、主な商品は中国や韓国のものでしたが、日本酒などポーランドで手に入らない日本のものも売っていました。
文化

クリスマスと言えばちょっと面白い話を聞きました。ポーランドはカトリックの国。昔からの伝統的な慣習に従ってクリスマスを過ごす家庭が多い。24日のイブの日は肉は控え、少し控えめに魚、特に鯉を食べるのが習慣だそうですが、なんと数日前に生簀から生きた鯉を買って家で数日飼っておくそうなのです。しかも家のバスタブで!鯉と一緒のバスタイムは一体どんな感じ?
年末は誘っていただいて、街中のカウントダウンへ行きました。といっても市が開催しているイベントというわけではなく、個人で打ち上げ花火を購入し、街のあちこちで上げているという感じのようです。そのためか、年明けの数時間前から待ちきれなくなった人たちがすでにボンボン打ち上げており、花火を見ながらいつの間にか新年を迎えていました。例の「3・・2・・1・・おめでとう!」というのはありませんでした。所変わればで色々ですね。
