ブラチスラバ市内でも 他のEUの街同様トラムが走行しています。始発は4時台、終発は0時台の路線もあり、移動には欠かせない大切な公共機関です。
旧ソ連時代の車両もそのまま運行している一方で、綺麗な写真や絵で装飾されている個性的な車両もあります。(写真はごく一般的な新型車両です。)
(ブラチスラバ市では市バスも車体が赤色です。ハンガリーではトラムやバスは黄色でした。そんなところにも国ごとのカラーが出ていて興味深いですね。)
運賃は 乗車時間や移動区域によって細かく分かれています。
例えば、同一区域内移動の場合、乗車15分以内なら0,7€、30分以内は0,9€、60分以内は1,2€、90分以内なら1,8€、1日乗車券は3,5€です。
乗車したら写真の黄色い刻印機にチケットを入れて、自分で刻印します。
(スロバキア人は時間をあまり守りませんが、刻印機だけは秒単位で動いています。)
乗車時に運転手の目前でチケットを見せる必要もなく、車掌もいないので、チケットを買わずに無賃乗車することも可能ですが、時折抜き打ちで検札が入ります。
検札は 深夜1時から4時の真夜中に運行する夜行バスにも、早朝深夜のトラムにも突然やってきます。
いつでも どの路線でも 予告なく彼らはやってくるのです。
検札が来るとすぐにトラムは停止し、全ての車両のドアが固く閉まります。車両から脱出することは もはや不可能です。
そして、ひっそりと静まり返った清閑な車内に 検札官の チッ チッという 切符や定期を確認する冷たい器械音だけが響き渡るのです。
それは、泣く子も黙る恐怖のひとときです。
無チケット乗車、またはチケットを持っていても刻印していない場合は、如何なる言い訳も無用で 容赦なく70€の罰金を支払わさせられます。
例え このお金がないと今日のパンが買えないとか、病気の子供の薬代だからとか 知恵を凝らした言い訳を言い泣き叫んで懇願したところで、冷酷な検札官の心には響きません。
泣いても 叫んでも 逆切れしても、全くの無駄です。
見つかったからには もう諦めるしか術はないのです。
(実際、「1駅だけの乗車だから」とチケットを買わずに乗車し、たまたま検札に遭ってしまった日本人留学生は半泣きでした(←本人談)。)
それに、ごく稀にですが、急遽 運行経路が変更になる時もあるのです。
以前、ウィーンに行くバス乗車のために寮最寄りのトラム停から4つ目の Most SNP というトラム停に向かっていた時、寮から3つ目のトラム停で突然トラムが停止し、
アナウンス機能もない車両中を運転手が「今日はここから先の運行経路を変更する。不都合な人は今ここで降りてくれ。」と言いまわるではありませんか!
運良くその日は時間に余裕をもって寮を出ていたので 途中下車しても目的のバスに乗車できたのですが、もしギリギリの時間に出ていたかと思うとゾッとします。
ブラチスラバ市にお越しになった際は、いつ運行経路が急に変更になるか分からないトラムに 無チケットかチケット刻印無しで乗車してみませんか?
本当に通常通りの経路で運行するのだろうか、行き先が急に変更されないだろうか、どうか検札が来ませんように…とビクビクしながら乗るトラムは きっと生涯忘れることのできない素敵な経験になることでしょう。


