2025年3月3日
ジェロナグーラ大学
小 山 良 夫
■少しづつ春の気配が:
-夜が明けて日が昇る時間が大分早くなり、この間まで朝起きる頃まだ真っ暗だった外が、ずいぶん明るくなりました。先日、思い出したように降り積もった雪も、既にすっかり融けて、歩道も運動靴で歩けます。外出する時に着るコートの隙間から入ってくる風にも、心なしか春の気配を感じます。
-そこで思い立って、旅に出ることにしました。最初はオーロラ見物でもと考えましたが、急にエージェントに行ってパック旅行を探しても、仲々手頃なものはありません。そこでポーランド北部でまだ行ったことのない、Torun、Gdansk、Malbork城を、シーズンオフのこの時期に尋ねることにしました。これは大当たりでした。列車は空いているし、ホテルも旧市街のゆったりとした宿が格安で予約できました。2月上旬に4泊5日で出かけた北ポーランドの旅は、天候にも恵まれて、観光客が全くおらず静かで落ち着ける小さな旅でした。
-この小旅行に味を占め、翌週は2泊3日で、ICEAの同僚のO先生の滞在するJ市を訪問しました。この都市は直線距離ではそう遠くないのですが鉄道の便が悪く、片道4時間以上もかかります。夕方到着した駅に出迎えて下さったO先生と夕食を共にしながら、色々とお話をしました。翌日は好天に恵まれ、郊外の豪商の屋敷を訪問したり、地元のT先生とお会いして懇談するなど、とても良い交流の機会でした。
-この休暇期間に、もう一つイベントを実施しました。これは国際女性デー(3月8日)と日本の桃の節句(3月3日)に因んで、オンラインで日本の私が住んでいる自治体(東京都I市)とポーランドの都市(Warsaw, Wroclaw, Zielona Gora)をつないで、国際交流をするものです。日本に長年滞在したポーランド人と、ポーランドに長年滞在した日本人をゲストに招き、ポーランドと日本の女性の生活や仕事などの体験をシェアし合うこのイベントは3月2日(日)(日本時間18:00~、ポーランド時間10:00~)に実施され、8時間の時差にもかかわらず30名程の熱心な参加者があって大変盛会でした。
■日本語の授業の状況:
--今月は、昨年10月に赴任してから4か月後にようやくホッと一息つけるひと月でした。これまでは、日本語クラスの生徒たちを目の前にして、授業の計画を立て毎日教材をコピーし、スケジュールを準備して授業をこなしていくというリズムに追われて、1週間が飛ぶように過ぎて行きました。ところが1月末に冬学期が終り、大学が試験のシーズンに入ると、急に時間の経過がゆるやかになりました。
-1月末の最後の授業の時に、Winter Term End Review(冬学期期末レビュー)という名称の授業レビューシートを学習者から提出してもらい、それを学習者からのフィードバックとしました。今回は41名の学習者が詳細に記入したレビューを提出してくれ、1学期の間一所懸命授業をしたご褒美をもらったような気持ちになると共に、次の学期の授業のために大いに参考にしています。
-日本文化紹介の”Japanese Club”の活動は、この1カ月の間は、特に実施はしませんでしたが、J.C.の活動から生じた「I-go Club」は、毎週1回大学外で活動をつづけました。メンバーは、毎週水曜日の16:00に”A” Caféに自主的に集まって、毎回“九路盤の囲碁”のゲームのリーグ戦を行い、その結果を記した賞状を発行して、記録写真を撮ってきました。この「I-go Club」の自主会合は、2024年12月21日に第1回を行い、2025年2月26日に第8回を数えました。このまま自主クラブとして、自立・継続して行けるでしょうか。
-先月、日本大使館主催の“日本語弁論大会”に参加の意思表明があった学習者“L”さんは、その後も参加の熱意が強く、テーマの選定と、スピーチ原稿の作成を試みて、私に指導を依頼してきました。そこで、私の方も適度なアドバイスと原稿の添削指導を続けており、近い内にスピーチの練習に入る予定でいます。今後の進展が楽しみです。
(以 上)
