イエレニアグーラ便り 最終回
最終月の六月は、2回レッスンをしました。第3金曜日は、大学校舎が祝日翌日で、閉じられていたため授業ができませんでした。最終レッスンには、4人が来ました。「まるごと」の教科書の16課まで終わりましたが、残り2課が残って、結局すべて終わらせることができなくて、大変残念でした。
そして最終金曜日は、私の住んでいる寮に学生たちを招いて、お別れパーティをしました。6人の学生たちがやってきました。しばらくレッスンに出ていない2人の学生たちも来てくれて、とてもうれしかったです。一人は、盲腸の手術で入院していたとのこと、もう一人は卒業試験マトウラの勉強が大変で、レッスンに来られなかったと言っていました。私は、ちらし寿司と、エビのお好み焼きを作りました。みんなちらしずしやお好み焼きを食べるのは初めての人たちでした。差し入れに一人の学生が、彼女の友達が作った鮭の巻きずしを持ってきてくれました。その日来た人たちは、授業をほとんど休まなかった学生達です。
日本語の教科書について、感想を聞きました。「まるごと」はすぐに日本語でコミュニケーションができて、いいとの事です。「げんき」は、長い時間かけて学んでいるのにコミュニケーションができないとのことです。
日本語を学ぶ理由では、ジブリのアニメや、ナルトのマンガなどで、興味がわいたと話していました。
今月は、私がポーランドを出るので、ここで知り合った人達に、食事に招かれたり、私が招いたり、近隣を観光ガイドしてもらったり、とてもいそがしい日々でした。大学の休みの日、大学の英語の先生マグダさんが、近くの山頂にあるお城ホイニクに連れて行ってくれました。緑で美しい森を通り、急な岩山を登り、城に着くとさらに塔のてっぺんまで、狭い螺旋階段を上るという、年寄の私にとっては心臓パクパクのきつい行程でした。が、たどり着いた時の感激は、あの苦しさの後だったのでなおさらでした。山登りする人の気持ちがよく理解できました。 黄金の秋真っ盛りに、鹿たちのウエルカムに迎えられて始まったイエレニア・グーラの生活も、明日終わります。あっという間に時が過ぎイエレニアグーラでは夏が始まりました。暑い日は28度位になりますが、空気が乾いているので、木陰は涼しく、比較的過ごしやすいです。街角では、イチゴやサクランボ売りのお店が軒を並べています。空の上では、一日中アマツバメたちが忙しそうに羽虫を追いかけて、滑空しています。明け方は、近くの森から、ナイチンゲールのさえずりが聞こえます。この静かなのどかな町で、沢山のポーランド人や、ウクライナ人、他のヨーロッパ人に出会い、とても面白い時間を一緒に過ごしました。私の思い出の宝箱にさらにたくさんの思い出が増えました。ポーランドに来て、本当に良かったと思っています。ICEAの辻様、お世話になりありがとうございました。

