6・7月報告(最終報告)

 2年間の日本語ボランティアも終わりを迎えました。1年目はウッジ第2高校で、そして今年はポズナン外国語大学で活動しました。1年目はコロナ禍の、2年目はウクライナ侵攻の年でした。試行錯誤の日々とも、貴重な体験の連続とも言える2年間でした。高校を定年退職した後に、何か新しいことに挑戦してみようと思いました。海外での活動は私にとって大きな変化であり挑戦でした。以前の私はポーランドをほとんど知らなかったようなものですから、ポーランドを選択した理由を尋ねられた時にはにはうまく答えられませんでした。ただ私の表情からポーランドが好きになり始めたことだけは読み取ってほしいと願っていました。親日的な日本語学習者が多い国なら何とかなるのではとの期待を込めてのスタートでした。                                           

 ポーランドは過ごしやすい国だと思います。細かな不便や不都合はもちろんありました。日本のように欲しいものが簡単に手に入らないこともありました。そんな生活の利便性以前にもとより日本とポーランドでは気候風土も生活習慣も異なります。加えてポーランド語はたいへん難しいことばでした。けれど、それらのすべてが私の挑戦には魅力の一部でもありました。カソリックカレンダーに沿って未経験の月日が流れていきました。異文化は興味深く新鮮ですが、時に理解困難な距離を感じさせることもありました。それでもポーランドは過ごしやすい国だと思います。多くの人はやさしく親切に接してくれました。日本人のやさしさとは違ったやさしさを感じながらの生活でした。彼ら彼女らに感じたこのやさしさ、接しやすさがポーランドでの過ごしやすさの理由のひとつです。

 授業の概要について報告します。大学の管理用サイトで連絡(情報)を得ます。そして、これを使って自分のスケジュールを確認したり、生徒への連絡や課題を送受信します。成績もこのサイトに入力し管理します。もちろん大学の事務室で担当に直接質問したり、日程調整に関する相談をしたりすることも可能です。

日程:前期と後期がありますが、それぞれはさらに7週間で区切られています。冬学期は10月~クリスマス休暇ま での期間と、1月上旬~冬休みまでの期間。夏学期は冬休み明け~イースター休暇までの期間と、休暇明けからは6月中旬までの期間。                                                   テスト:授業期間後にテスト期間が設けられていますが、テストは授業期間内に行うことも可能でした。すべて担当に一任されています。テストの日程は事務室の担当と相談して決めました。問題作成はもちろん試験監督も担当者が行います。自分のテスト日程は日本語学科の先生方に知らせておくことが大切です。                                        教室:登校したら受付で使用する教室の鍵を受け取ります。教室にはパソコン・プロジェクターが備わっています。                                                                  休憩室:小さな部屋がありますが、自分の席はありません。お茶を飲んだり、授業進度について連絡し合ったり・・・。先生方は授業直前に来て、授業後には帰宅します。空き時間はほどんどなく、授業は連続しています。非常勤講師の働き方です。日本語学科の先生方はみなさん日本語が本当に堪能です。                    授業:5科目(も)受け持ちました。授業の準備は大変かもしれません。だから自分を追い詰めないための工夫が必要になってきます。実は授業直前まで準備なんてこともありました。

1年「コミュニケーション」                                                      2年「記述文法(隔週授業)」と「経済(ビジネス」                                                                            3年「語彙と会話」                                                          2・3年共通「日本文化」(前期のみ・オンライン授業)                                        3年「アカデミック・ライティング」(後期のみ)                                               大学指定の教科書を使った授業は「コミュニケーション」「語彙と会話」のみで、その他の授業は個人で所有していたものを使用しました。「コミュニケーション」では凡人社の『初級日本語』を、「語彙と会話」では『ニューアプローチ・中級日本語』を使いました。初めて使う教科書でしたが、『みんなの日本語』『げんき』に加えて守備範囲が少し広がったように感じています。また、「日本文化」「アカデミック・ライティング」は準備が大変でしたが、新しい領域の開拓だったのでいい経験になったと感じています。

 学習進度を報告します。最後の7週間の報告です。                                     1年「コミュニケーション」22課まで終了しました。(22課までしかできませんでした。)授業では会話練習が中心でしたが、音読と聞き取りにも相当時間を割きました。                                           2年「文法」N3問題集より言語知識と読解の演習を行いました。日本語能力試験を受験する学生とそうでない学生には学習意欲に差が出ました。また、間違いが目立った助詞の使い分けについてさらに演習を行いました。                                                                       2年「経済」(ビジネス)ask社の『読解120題』は最後までやり終えました。読み落としを減らすため通常より時間をかけて解答しました。また、ビジネスを意識して敬語とボイスを演習しました。                         3年「語彙と会話」アルク社の『どんどん読める ショートストーリーズ』の読解と『新完全マスターN2』の聴解演習を行いました。卒論準備に追われているのか、出席状況がだんだん悪くなってしまいました。         3年「アカデミック・ライティング」「日本語学習のむずかしさ」というテーマで意見交換し、3年間の日本語学習を振り返ってもらいました。学生が経験したむずかしさの中から「語彙・漢字・敬語」をとりあげ、その具体的なむずかしさと原因等を考察しました。

テスト 担当に一任されています。前期は未実施の科目もありましたが、後期は全科目行いました。すべての科目のテストで単位認定された後に、さらに卒業認定と進級認定のための最終テスト(PNJ)があります。内容は文法と口答テストです。不認定の場合は9月の再試験を受けなければなりません。

 ポズナニはとても魅力的な街です。「日本史にたとえるならポズナニは奈良にあたる」と教えていただきました。古いものと新しいものがうまく調和している街ではないでしょうか。歴史的な遺産が大切に遺されている一方で、人々は都会的な生活を享受しています。人々はポズナニに誇りを感じながら生活しているように感じました。週末の旧市街は国内外からの旅行客でにぎわいます。私は『地球の歩き方』(2019年版)の情報を頼りにしています。ポズナニのページ(4ページ)でとれ上げられている箇所(旧市庁舎・ポズナン大聖堂・文化宮殿・国立美術館など6カ所)をまず見て歩きました。ここでは未掲載の情報をご紹介します。                       1 旧市街周辺の教会群                                                            聖スタニスラウス教会(ファラ教会、ピンク色の外壁)・フランシスコ教会(クリーム色の外壁)・聖ヨゼフ教会・聖マルチン教会(レンガ造りの外壁)・万聖教会(住まいに最も近いプロテスタントの教会、日に3度、曲「真実の声・私は奇跡」が部屋まで届く)                                                              2 博物館                                                                   ポズナン大聖堂に隣接の博物館・旧市街の博物館(考古学博物館・クロワッサン博物館)・文化宮殿脇のエニグマ(暗号機)博物館。ポーランドにはそれぞれの都市に戦争(関連の)博物館があります。そこでは戦争の視点から近現代史を学ぶことができました。独立への熱い情熱や祈りをひしひしと感じながら、その都度時間の経つのを忘れるほど深く入り込むことができました。                                                 3 ショッピングモールとレストラン                                                       ショッピングモール:Avenida Poznan(ポズナン駅に隣接)・Stary Browar(旧ビール醸造所跡地)・GaleriaPozinan(マルタ湖近く、湖畔にはGaleria Maltaもある)                                                                   レストラン:ポーランド料理はもちろん、イタリアン・ケバブ店も多い。チェコ料理・ジョージア料理・インド料理の名店もある。中華料理・日本料理も楽しめる。                                              4 バルタ川とマルタ湖                                                         バルタ川の河川敷とマルタ湖周辺は市民憩いの場。連日散歩やジョギングを楽しむ人でにぎわう。50年前のバルタ川は交易路として利用されていた大河。下流でオドラ川に合流しバルト海に注ぐ。マルタ湖はボートの公認練習場で多数のアスリートを輩出している。周辺には動物園・人工雪スキー場・スケート場もある。また、郊外には周囲30kmにも及ぶKielskie湖群がある。                                        5 郊外編                                                                     グニェズノ:ポズナニ東部50kmにある旧都市。ポズナン大聖堂より以前に建てられた大聖堂(歴史博物館が併設)がある。「ポズナンが奈良なら、グニェズノは飛鳥かな」と勝手に解釈していた。伝説(伝承)と歴史が共存する街。                                                                          クールニク:ポズナニ南部の町。ガイドブックにはクールニ城が紹介されているが、シンボルスカ(女流詩人・ノーベル賞受賞)の生地でもある。彼女の記念館等はないが、知名度は抜群で町の誇りであることを知る。初夏にはコウノトリがヒナを育てる光景も見ることができました。

 言うまでもなくポーランドには魅力的な街が多くさんあります。それぞれの街には個性的な顔がありました。週末や長期休暇にはウッジとポズナニを基点にいくつかの街を訪れました。1年目にはワルシャワ、クラクフ、トルン、ヤスナグーラ、ウォビチ、オポーレへ、2年目にはブロツワフ、グダンスク、ボレスワビエツへ。忘れられない思い出の街です。旅行が大好きな私にはコロナ禍の行動制限だけが難敵でした。 けれど、一番の思い出の街は言うまでもなくウッジとポズナニです。この街抜きに私のポーランドを語ることはできません。この街ならツアーガイドができるほどちょっと詳しくなりました。

 たくさんのおみやげを持って帰国します。みなさんに喜んでもらえたならうれしいです。以下はそのリストです。1 ピエルニク:ジンジャークッキー、トルンの名物。一年中、どこのスーパーでも購入が可能。ただし、プレーンタイプは在庫が切れていることが多い。 2 蜂蜜:ポーランドは蜂蜜の生産大国。 3 ウォッカ:Żubrówkaの小瓶、ポーランド語ではWódka。飲み方は自由。 4 スープの素:お湯を注ぐだけのインスタントスープ。スーパー、コンビニで10数種類販売されている。お気に入りは赤いバルシチと白いジュレク。 5 陶器の置物:皿は重いので断念。小鳥や猫が描かれている小さな置物。食器の街ボレスワビエツで購入。 6 ペーパーナプキン:伝統的フォークロア柄。明るくカラフルで素朴なデザイン。

 2年前の私はポーランドについてほとんど知らないようなものでした。都市名にしても歴史的人物にしても、旅行ガイドブック程度のものに過ぎませんでした。けれど2年間の生活は私を大きく変えてくれました。そんな生活の中でポーランドをより深く理解するためには歴史と宗教について知る必要性を強く感じました。主にインターネットを通して情報を得ていましたが、知人や図書館から借りた本をスキャンした後にGoogle翻訳して読みました。また、日本帰国中にはポーランド関係の本を集中的に読みました。この2年間ポーランドの魅力は私の好奇心を刺激し続けてくれました。これからもずっとポーランドを追いかけ続けようと思っています。

 最後になりましたが、出会った方々の魅力について触れないわけにはいきません。ポーランド人の友だちがいることを内心誇りに感じています。みなさんとても親切に接してくださいました。居心地がよかったのは言うまでもありません。温厚で信頼できる人がら、知的で教養がありスマートな生活ぶり、人間的な魅力にあふれた彼ら彼女らをずっと忘れることはないでしょう。また、ICEA等を通じて知り合えたみなさん(日本人ボランティア等)との出会いも決して忘れることはないでしょう。意欲的で前向きな生き方、日本語教育に対する熱心さ、一緒に活動しやすい方々ばかりでした。楽しく会話ができましたし、私の話にも耳を傾けてくだいました。志を同じくする人(友人であり、同志であり時にライバル)の存在は大なるものです。

 今はもう少し(まだまだ)この活動を継続していきたいと希望しています。来季はブルガリア派遣を選択しました。この2年間自分と向き合えるたっぷりとした時間を手に入れることができました。自分の目で見て自分で考える中で、視点が増えたり磨かれたりするのならそれにまさるものはありません。健康管理と初心を忘れない生活を心がけます。

4月報告

 ロシアによるウクライナ侵攻が始まり2ヶ月あまり、日々報道される戦禍に心を痛めています。当初私は戦争にはならないだろうと楽観的に考えていました。ベラルーシとの合同演習も威嚇の域を越えはしないだろうと。しかし、戦争が現実のものとなってしまいました。ウクライナの惨状を見るたびにロシアの蛮行に対する憤りを禁じ得ません。4月末現在ポーランドへの避難民数は400万人にも達したと報じられています。侵攻開始当初からポーランド政府の対応には共感していますし、ポーランド国民の人道的な対応をすばらしいと感じています。果たしてこれと同じ状況に私たち日本人が直面したとき、どこまで、どのくらいできるのだろうかと考えました。この度のことは結果的に多くの日本人がポーランドやポーランド人を知ることにつながったのかもしれませんが、今さらながらに情報量の乏しさや報道の取り上げられ方の乏しさを残念に感じます。

 イースターの期間も終わり、本格的な春の到来です。冷たい風が吹く日もありますが、期待以上に好天が続き、街ゆく人の装いにも季節の移ろいを感じます。マルタ湖畔にはサクラの若木が植えられています。日頃は花の名前さえほとんどわからずに生活している私ですが、わずかに桜は識別できる状態です。その若木がしっかり花を開き、精一杯春の到来を告げているようでゆかしさを感じました。また、マルタ湖はボートやカヌーの練習場でもあります。ここから有名な選手も大勢生まれていることを知りました。東京オリンピックのメダリストを讃えるレリーフが先日加わっていることをランニング途中で見つけました。

学習進度を報告します。                                                   1年「コミュニケーション」後期は下巻に入りました。現在18課まで終了しました。音読を大切にしたいとの思いから、本文読みの練習を毎時間20分間行っています。また、聞き取り練習も分量を増やして行っています。進度が早いこともあり遅れが見られる学生もいます。特別な手当が必要な段階だと感じています。                                    2年「文法」 N4問題集から「ことばの順番」の演習を続けています。また、実力判定のためN3問題集(言語知識・読解)の演習を3時間にわたり行いました。正解率が80%を越える学生も複数人いました。                                   2年「経済」 問題番号「day114」 まで解答。問題集の終わりに近づいています。また、動画「しごとの日本語」を用い敬語を学習してきました。終了時には確認テストを実施しました。                                                         3年「語彙と会話」 毎時間2種類の文章を読んでいます。『日本語 読み書きのたね』を用いたやさしい文章の読解練習に続き、N1レベルの文章読解(単語の意味プリントも配布)にも挑戦しています。テーマは「選択制夫婦別姓」「死刑制度廃止論」「日本語の有標・無標」など。イースター休暇前に確認テストを行いました。                                              3年「アカデミック・ライティング」 3年生は卒業論という大きなハードルを越えなくてはなりません。本学では4回に分けて段階的に提出する方法をとっています。論文執筆に向け少しでも力になればと思い、「パラグラフ・ライティング」の習得をめざして演習を行いました。動画「アカデミック・ライティング」を用いながら4段階にわたり文章の推敲演習を行いました。

 イースター前に「千羽鶴プロジェクト」に加わり、学生たちと千羽鶴を折りました。学生たちは苦戦ののちにようやく一羽を折り上げました。私は千羽鶴にもさまざまな折り方があることを知りましたし、間違えやすいポイントがいくつかあることも知りました。先日それらをウッジに持ち寄り、二つの千羽鶴の完成に到りました。有志との合同作業は楽しく思い出深いものになりました。また、イースター明けの授業では千羽鶴完成の報告をいたしました。ジェシュフ工科大・ウッジ大・ウッジ第2高校・Ichigoのみなさんとの共同作業であったことの紹介をいたしました。

 一日も早い戦争終結を願ってやみません。言うまでもありませんが、それはウクライナの方々が願う形での終結以外にはありません。

2月報告

 今年の冬は一段と暖冬傾向が強いように感じます。12月に2,3日そして1月に1日だけマイナス10度前後まで冷え込むことがありましたが、それ以外は覚悟して来たほどの寒さではありません。それでもポーランドでは手袋と耳を覆う帽子は必須アイテムです。大人の男性が帽子を被って通勤する姿は日本ではあまり見かけない光景ではないでしょうか。しかしながら室内暖房は完備されていますから、防寒着を脱ぐと厚着ではありません。またポーランドでは教師の服装はカジュアルです。通常の授業時であればスーツにネクタイというスタイルの先生をほとんど見かけません。肩の力を抜いていいんだよと言われているようでホッとします。

 2月4日で前期の授業が終わりました。最後の2週間というところでオンライン授業に切りかわり、予定変更を余儀なくされたことは残念でした。それでもこれまで教室で授業が行えたことは幸運だったと感謝しています。前期試験は特別に教室で実施できたものとオンラインに切り変わったものがありました。オンライン試験の音読テストは学生を10分間隔で振り分けて行いました。昨年度からの課題としてオンライン試験におけるカンニング対策があります。しかしながらほとんど改良を加えられないまま試験を行いました。

学習進度を報告します。                                                   1年「コミュニケーション」10課まで終了。 本文音読テストに向けた練習。テ形について説明。「テ形の歌」を使い負担の軽減を図る。                                                     2年「文法」 N4問題集から「言語知識(文法)」と語彙「同じ意味」と「ことばの順番」の演習。2週に1時間の演習だから前回の授業と結びつけることが難しいと感じる。                                   2年「経済」 問題番号「day102」 まで解答。リスニングは問題番号「Day120」まで終了。動画「しごとの日本語」を使い、敬語の尊敬語3パターン・謙譲語の基本を学習。                                                         3年「語彙と会話」 20課「車のコミュニケーション」まで終了。「文型・表現」を使っての作文演習。「すぐに使える会話表現」提案・助言するを学習。「聴解ミニテスト」演習。                                              2・3年「日本文化」 第11回「クリスマスと年末年始」「スポーツ」、第12回「絵画」、第13回「さまざまな社会問題」。課題「日本文化で不思議に感じているもの・興味あるもの」を課す。この授業は前期のみの授業で終了である。準備にはかなりの時間を要したが、自分自身の日本文化を見直すいい機会となった。

 先日オンラインで家族ミーティングを行いました。妻と娘は新潟から、息子は広島からの参加でした。8時間の時差があるとはいえライブでの映像は格別です。私はいつになく声が弾みました。それぞれが元気でいることなどを報告しあいました。家族を感じる貴重な時間の共有でした。今ではSkype・ZoomなどのオンラインツールやLINEなどのメッセージアプリは生活に不可欠です。そしてコロナ禍はそれらに依存する度合いをさらに加速させたと感じています。私は80年代の国際電話の光景を思い出します。通話時間をあらかじめ決めておくことは言うまでもありませんが、周囲にもその時は静かにしてほしいとお願いなどしました。若かりし頃を隔世の感をもって振り返ります。特別だったものが今では日常ですが、ライフスタイル以上のものまでデジタル化が進んでいるならその波には抵抗したい思いです。

 今年のイースターは4月17日(日)です。脂の木曜日・灰の水曜日、そして聖なる木曜日・金曜日・土曜日を経てイースターを迎えます。クリスマス以上に大切な期間だと考えている方も少なくありません。イースターは春を待つ気持ちと重なり合います。イースターの復活と再生は新しい生命の息吹を生活全般に吹き込みます。街は花やくだものであふれ出します。まったく経験のない暦の中で日々を送っていますが、何よりその変化に適応することが私たちには求められます。それさえ楽しめるくらいの逞しさが大切なんではないでしょうか。例年3月最終日曜日の深夜にサマータイムに切りかわります。昨年をもってそれが廃止になると聞いていたのですが、今現在明確な決定を聞いていません。知らないままでも生活できていることにおかしささえ感じています。

12月報告

 クリスマスも終わりました。ヴォルノシチ広場のクリスマスマーケットも姿を消して元の姿に戻りました。コロナ感染再拡大の中でのクリスマスでしたが、連日マーケットは相当な賑わいでした。そして、私はクリスマス・ミサに何度も行きました。響き渡るパイプオルガンの音、敬虔な方々の祈る姿に心が洗われる思いがしました。深い静けさの中で私はこの1年を振り返りました。コロナ禍ではない本当のポーランドを見てみたいとの私の思いはどこまでかなえられているのだろうかとふと考えました。

 一年中でもっとも日照時間の短い季節を過ごしています。1時間目が始まる8:00に合わせて家を出る時は日の出前です。けれどポーランドの朝は早く、街はもっと早くから動き始めています。トラムは混雑しているので座れたことはありません。週に一回月曜日だけ5時間目の授業があります。授業後半の3:30過ぎには日没を迎えます。そのような時には北緯50度を超える地域で生活していることを肌で感じます。ポーランドの日照時間は一年を通じて劇的に変化します。四季は日照時間の長短でも明確に区分されます。

 今年のコロナ禍対応は全国一律ではありませんでした。地域間でも学校間でも差が生まれました。当校のオンライン授業は11/25~12/3の約10日間で終わり、クリスマス休暇前も教室で授業を行うことができました。私にとってそのことは本当にうれしいことなのです。すっかりクリスマスモードになっている学生もいて、そのような生徒は12/6にも最終授業にもサンタの赤い帽子を被っての授業でした。あるクラスでは何度も求められてしまい、とうとう私までその帽子を被っての授業となりました。初めての経験でしたし内心はかなりの抵抗を感じながらのサービスでした。当校のクリスマス休暇は12/18~1/9の3週間です。

 学習進度を報告します。                                                   1年「コミュニケーション」8課まで終了。 形容詞・動詞入門、「あります・います」、ものの数え方9種、ロケーョンワード、「Days weeks Months Years」、授受表現など。                                  2年「文法」 N4問題集から言語知識(文法)と語彙「同じ意味」の演習。「記述文法」担当教諭からの依頼で、日本語文法と学校文法における「動詞の区分法の違い」について説明をする。                       2年「経済」 問題番号「day94」 まで解答。動画「しごとの日本語」を使い、電話の受け取り方とつなぎ方、敬語の基本などを学習。                                                         3年「語彙と会話」 19課まで終了。 17課「トリックアート」18課「行列のできる店」19課「素朴な疑問」の音読練習。「文型・表現」を使っての作文演習。「すぐに使える会話表現」申し出る、伝言を頼む・伝える、許可を求める・応じる・断る。「聴解ミニテスト」演習。                                              2・3年「日本文化」 第7回「暦」、第8回「ボディ・ランゲージ」、第9回「仏教と神道」、第10回「俳句」。クリスマス休暇に「俳句三句とその説明文」の課題を課す。  

10月報告

 ポズナニに赴任して2ヶ月あまり、新年度の授業が始まり6週間が経ちました。この間先生方、学生たちとの新しい出会いがありました。ポズナニや新居での生活にもすっかり慣れ、2ヶ月前とは違った見え方でこの街を見ているように感じています。

 先週から今週にかけて万聖節、死者の日、独立記念日の祝祭日がありました。この2週間は大きな区切り目で、前期の導入期が終わったことを意味します。この後はクリスマス休暇まで授業は5週間。授業進度もやや早まりますし、生徒は大きな成長が期待される時期を迎えます。

 私の勤務環境、勤務状況等を報告いたします。当校は外国語を専門とする大学で英語学科、ドイツ語学科、フランス語学科、スペイン語学科等に加えて、東洋言語では中国語学科、韓国語学科、日本語学科が設置されています。本校舎には高校も置かれていますので、大学の授業は別の校舎でも行われています。日本語学科は1年生4クラス、2・3年生は2クラスあります。日本語学科のスタッフは7名。うち日本人は私を含めて2名。ポーランド人教師のみなさんも日本語堪能ですから日常の会話は日本語です。その環境の良さに甘えすぎないようにしなければと自戒しています。

 私の担当科目は1年生「コミュニケーション」・2年生「文法」「経済(ビジネス)」・3年生「語彙と会話」そして2・3年生共通科目の「日本文化」の5科目です。科目数の多さに当初は驚きましたし、準備には時間が必要です。けれど今は始まってしまったのだから後はやりきるしかないとの思いです。先生方はとても親切で休憩時間には声をかけてくださいます。ポーランドについての私の質問に答えてくれます。生徒は学習熱心ですし協力的です。素直さが感じられとても好感が持てます。この素直さが日本語力の成長につながればと願います。

 時間割は月曜日に2年生「経済」2時間と「文法」1時間、火曜日に3年生「語彙と会話」2時間、水曜日に「日本文化」1時間、木曜日と金曜日は1年「コミュニケーション」2時間の計10時間です。なお「日本文化」はオンライン授業ですし、2年生「文法」は隔週実施です。週に3日は午前で授業が終了しますので、準備の時間はあるはずです。

  使用教科書は、1年「初級日本語 上 」凡人社、2年「文法」は「基礎日本語文法 改訂版 くろしお出版」「経済(ビジネス)」は「初級からはじめる 読解120」、3年「会話と語彙」は「ニューアプローチ中級日本語」日本語研究所。    

 学習進度は1年「コミュニケーション」入門1~3課、2年「文法」学習項目に対応する問題をN4問題集から選び演習、2年「経済」問題番号「day60」 まで解答、3年「語彙と会話」13課~15課(聴解・すぐに使える会話・短作文演習)、2・3年「日本文化」 概念理解・衣食住文化の紹介。                                            

 時間割・使用教科書・学習進度は大変読みにくいものとなってしまったことをお詫びいたします。実はこのレポートの作成方法(特に表形式等の作成方法)をいまだ理解できずにいます。授業時間の数え方を多くの方は「コマ」と表現しますが「時間」と表記しました。1時間の授業時間は90分です。また「Poznań」の読み方に関係して、タイトルは「ポズナン外国語大学」ですが、日頃は「ポズナニ」と言っていますので、本文ではその形で表記しました。