10月から12月(冬学期)の報告です。

言語学部の日本語の授業は10月から始まりました。当初、学科長と副学部長から「新カリキュラムの日本語授業は10月初週から始まる予定である」と聞いていましたが、実際に冬学期が始まってみると、科目別で2週目と3週目に分かれて始まりました。北マケドニアの大学のスケジュールの決め方は独特なところがあります。前年度も同様でしたが、新学期が始まると必修科目から順にスケジュールが決まり、選択科目の日程が決まるのはその後になります。日本語科目も選択科目であるため、履修登録者の日程が出揃ってから授業日を決めることになりますので、そうすると学生達と授業スケジュールは1週目では決まりきらず、選択科目の日程が決まったのは2週目か3週目でした。今学期は「日本語1」(新カリキュラム)、「日本語3」(旧カリキュラム)、「コマーシャルコース」を担当しました。

ユリウス暦(ユリアン暦; Julian Day; Julian Calendar)を採用している北マケドニアでは冬学期の授業は12月30日までです。12月24日も25日もいたって普通の日です。そして、2025年1月6日がクリスマスイブ、7日がクリスマスです。冬休みは12月31日からクリスマスの翌日(1月8日)まで、となります。

以下、日本語授業の進捗報告です。

◎ 日本語1(Japanese language 1; 新カリキュラム)
・学生数:7人
・授業時間:90分講義(45分×2スロット)、週1回
・使用教科書:『まるごと入門 A1』
・授業進捗:まるごと入門A1 第1課から第9課まで。

新カリキュラムの下で「日本語1」の授業が始まりました。認定単位は4単位です。この点、旧カリキュラムの5単位から変更されています。前年度の研修会報告書記載の単位数から変わっているので、この点、さらに更新されています。ペースはやや早めですが、「日本語1」(冬学期)と「日本語2」(夏学期)でA1レベルの学習を終えようと思うと、これぐらいのペースでちょうど終わる計算です。

言語学部だけでなく他学部からの履修者もいるため、スケジュールがどうしても合わず、月曜日と火曜日の2クラスに分けて授業を実施しました。火曜日クラスは先週終えて、月曜日クラスは12月30日の講義で最後となります。授業回数はそれぞれ同じで、同じ進捗になるように授業を進めています。新カリキュラムの学生さんはみんな授業をよく理解し、宿題もしっかりと提出し出席率もよくて真面目です。夏学期も引き続き日本語2を選択したいと話してくれました。1月下旬に試験を実施するため、これからその準備に入ります。

◎ 日本語3(Japanese language 3; 旧カリキュラム)
・学生数:2人(内1人は聴講生)
・授業時間:90分講義(45分×2スロット)、週1回
・使用教科書:『まるごと入門 A1』『まるごと初級1 A2』
・授業進捗:まるごと入門 A1 第13課から第18課まで。また、まるごと初級1 A2 第1課から第3課まで。

今学期の「日本語3」は旧カリキュラムの学生のみが選択できるため、学生数は前年度から続けて学習してくれた2人となりました。その内、1人は聴講生です。2人とも他学部ですが、前年度から一緒に学習を続けています。よくできる2人なので授業もサクサク進みまして、A1レベルの教科書を終えてA2レベルの教科書に入りたいか尋ねたところ、積極的な回答が返ってきました。なので、学生の希望に合わせて、A2レベルにも入り、できるだけ講義を進めてあげるつもりで授業を実施しました。学生たちは日本文化のイベントにもよく参加し、学習態度も抜群に良いです。教科書に出てくる漢字も問題なく読めるし、今後の日本語能力の伸びもかなり期待できます。「日本語4」はA2の教科書の続きから始める予定です。

◎ コマーシャルコース(有料のオンラインコース)
・学生数:5人
・授業時間:90分講義、週2回(45分×4スロット)
・使用教科書:『いろどり入門 A1』
・授業進捗:いろどり入門 A1 第1課から第14課まで。
こちらは有料の新しいコースです。今年度は日本語科目も含まれ、サマーコースから来た学生と新規の学生で合わせて5人でスタートしました。前年度の課外授業の学生達からも私のところに学習希望が来ていましたが、今回は完全初学者向けということで『いろどり入門 A1』の第1課から始めるため、課外授業受講者らは次回に見送りとなりました。サマーコースでは『エリンが挑戦!にほんごできます Vol. 1』を使用していたため、異なる教科書で新しい内容を一緒に学んでいきました。

10月8日から12月26日までで、90分講義を週2回、合計24回(45分×48スロット)実施しました。5人の内、2人は全出席でした!授業にもよくついてきて、国際交流基金のeラーニングプラットフォームの「みなと」でいくつかSelf-studyコースの修了証をとって見せてくれた学生もいました。おすすめのコースを教えてあげるとその次週にはちゃんとそのコースを学んで授業に出てくるので私も嬉しかったです。このコマーシャルコースが夏学期も続くとすれば、第15課から始めてA1レベルの学習を終え、『いろどり初級1』に入る予定です。

◎ 研究発表
12月は学会シーズンです。聖キリル・メトディウス大学で実施した私の研究がイギリス、ケンブリッジで行われた教育系の学会で論文アクセプトされ、発表いたしました。こちらは「中東欧日本語教育研修会2024」の報告書で発表した内容に続く研究で、カタカナの苦手克服を目指したものです。現在進行形で論文掲載の手続き中ですので決まり次第、またご報告させていただきます。