2023年2月3日

第4回ヴロツワフ・レポート

ヴロツワフ経済大学

小 山 良 夫

■冬から春に向かって:

―比較的暖かいお正月をエンジョイしていたら、1月半ば頃とそして今日(2月3日)に突然雪が降りました。でも降ってもすぐ溶けるので特段外出に問題はありません。それより薄どんよりとした曇り空の日が続くのがこちらの冬の特徴です。時々雲がなくなり晴れ間が出ると、それまでグレーで色彩が感じられなかった町が、急にカラフルで生き生きして見えて、太陽の力のすごさ有難さを感じます。

―冬至から1カ月ほど過ぎて、朝日が昇る時間が早くなり、夜日が沈む時間も段々遅くなってきたのを感じます。旧市街のクリスマス・マーケットはすっかり片づけられ、元の広場に戻りましたが、意外と広かったのに驚きました。大きなクリスマスツリーだけがまだ名残惜しそうに残されています。空いたスペースにステージが設けられ、バンドが次々と入れ替わり騒々しい音楽をまき散らしていました。ところが急に音調が変わったのでお店から顔を出してみると、インドの音楽と舞踏をステージでやっていました。冬の夕暮れの寒いヴロツワフの街角から、思いがけずに南アジアの雰囲気が漂ってきて、少し妙な気分でした。長い冬もあと少し、春の訪れまでもう一息です。

■日本語授業の様子:

―昨日2月2日で、冬学期の日本語授業が終了しました。試験の時期が迫って、授業に出てくる学生の数は当初と比べると半分位になりましたが、出席している学生は皆顔なじみで、いつも積極的に参加する学生ばかりです。

―学期の最後に学生にレビュー・シートを書いて提出してもらったのですが、来学期に希望する内容として、もっと日本の文化や人々、歴史などを知りたいという声が複数ありました。そこで最後の授業の時間を使って、日本の習慣(お辞儀の仕方や名刺の渡し方、神社の参拝の仕方など)や日本の食べ物(すし、ラーメンなど)を紹介する英語のビデオを見せたところ、とても好評でした。来学期の進め方のヒントを得られた気がします。

―学期末の仕事として、成績を付けて提出しなければならないので、授業のあと早速各学生の1学期間の出席状況や、宿題の提出状況などのデータを表にまとめて、評価案を作成してみました。やはり全体の3分の1ほどの学生が、出席日数が50%に満たずに脱落してしまっていることが分かりちょっとがっかりしました。しかし逆に3分の2が授業に付いて来ており、そのうち半分はとても熱心に継続して出席していることから、単位にならない自主参加の授業としてはそう悪くない方だと考え直すことにしました。そして最終的に個々の学生の成績を、5点満点で0.5点刻み評価で付けて、それを一覧表にまとめて責任者の先生にメールで提出しました。

―冬学期の始め(10月12日)から、週1回水曜日の9:45~11:15の間に参加していた「ポーランド語」の前期の授業が、1月25日に終了しました。授業は外国人学生約15人が参加しましたが、一所に参加している5名のウクライナ人学生などと比べて言語体系が全く異なるため、授業中はずいぶん苦戦しました。中間と期末に2回テストがあり、幸い合格点(5.0点)を貰うことができました。できれば来期も続けたいと思っています。

―来期は3月1日から新学期の授業が始まるので、それまでに教科書の授業プログラムの作成や、新しい教材の検討と選定、教材化の準備などがあります。ですから1カ月足らずのお休み期間は全てのんびりと旅行や休養という訳には行きませんが、多少はレクリエーションも必要かと思いますので、国内旅行を中心にヴロツワフ地域を見て回ろうかと思っています。

■文化的な活動など:

―先月(12月)に行われた「波」のクリスマスパーティーで、私を含めた日本人グループが実施した「阿波踊り」の実演と実技指導が、「波」主催者の気に入ったようで、今年に入って「波」の活動の一つとして「阿波踊り」の「連」を立ち上げたいという希望が出されました。そこでこれを受けて、「波」に派遣されているM先生と協力して、「阿波踊り」を「波」の活動の一つとして育てるべく、2月末に立ち上げ会を行うための協力をすることになりました。

―また別途、「波」の主催者と話し合った結果、私が講師となって、3月初旬より8回に亘って、毎週1回(金曜日)の午後に「波」において「折り紙教室」を開催することになりました。このモデルは、昨年Rzeszowに赴任した時に行った「折り紙教室」です。私としては、教材はそろっていますので、実際に参加者が集まった時点で、参加者に適した形に教室の進め方を再検討して、より満足度の高い活動にしたいと考えています。

(以 上)