後期授業を開始して1週間が経ったころ、突然大学から休校措置の連絡が届いた。正確に言えば、学生達がいち早く教室に伝えに来てくれたことで、事情を理解することができた。1か月の試験休みを終え、やっと学生達と再会でき、後期も頑張ろう!と思っていた矢先の出来事だった。長期化するという予測のもと、間を空けずにメールでレジュメや課題を送り、学生達が課題を返信するという日々が続いた。その後、大学が推奨する「Microsoft teams」に順次切り替えていったが、「Microsoft teams」機能はオールインワンなので、対面授業と比べて何も困ることはなかった。1クラスだけはアカウントを持たない卒業生らがいるため、「Skype meet now」で対応している。オンライン授業は学生達にとって初めての経験であったが、新たな学習環境にスムーズに移行できたのは幸いだった。今でも、「お母さんが叫んでいるから、先生ちょっと待って!」と退席することもあれば、ペットが飛び出してくる等、ハプニングもしばしばある。授業外にも、学生が作った「焼きそば」の写真、木々や植物の写真、また、イースター休暇には、ポーランドの伝統的な風習をコメント付きで送ってくれることもあった。

 本大学には日本の3大学と交換留学制度があり、日本人学生達が日本語クラスに主体的に関わってくれていた。しかし、この状況下で全ての学生達が帰国した。一方、4月から日本の大学生活を謳歌するはずだったポーランド人学生達の生活も一変し、日本語を学ぶ気力を失っていた。留学を目的に日本語クラスに参加してきた学生達のモチベーションにも気を払いつつ、楽しい授業を心掛けている。

 オンライン授業の開始後、学生達の意向を汲み、授業内容の立て直しを図った。基本の授業(週に2回x3クラス)に加えて、JLPTクラス(週に1回x3クラス)+作文クラス(ディクトグロスも含む)を増やした。学生達の学習目的も多様化している上に、クラスという括りだけでは対応できない能力差も生じていた。オンライン授業への切り替えがなかったら、できなかったことかもしれない。JLPT試験(7月)はその後中止となったが、「受験料は戻るし、12月はきっと大丈夫」、と学生達はいたって前向きな姿勢を貫いている。

 オンライン授業の質をいかに維持していくかが今後の課題である。また、試験まで1か月半となり、評価や学生への告知をどのように行うかも決めなければならない。当然、正しい答えは1つではなく、今後も試行錯誤しながら進めていくことになるだろう。私自身もオンライン勉強会を継続しつつ、世界中の日本語教師仲間らとMLで繋がり、情報共有できるのは本当に心強い。このような状況下で気分も沈みがちだが、パソコンに向かい、学生達とオンライン授業をしているときが何よりも一番楽しい時間だ。各クラスの様子は、次回の最終報告でまとめて書きたいと思う。寮にこもる毎日で、1枚も写真を送れないのが残念である。