あらためて、当大学について。

当大学 聖キリル・メトディウス大学は北マケドニア共和国の首都スコピエにあります。この国における最初の国立大学として1949年に設置されました。分野は自然科学から工学、健康医学、生命科学、社会科学、芸術まで抱える総合大学です。現今、60000人を超える学生がいて、約1割の留学生もいます。職員・教員の数は3000人を越えます。

言語学部における日本語教育は2011年に始まりました。聞くところによると、北マケドニア共和国大使館(当時はウィーン兼任大使館)から日本(アイセア)への要請があったそうです。以来、日本人の教師が6代を重ねて駐在し、日本語教育にあたってきました。日本語課程は、大学においては選択科目です。正規科目には英語、ドイツ語、イタリア語、フランス語、ロシア語、スペイン語、マケドニア語、比較言語学があります。選択科目には、フランス語、スペイン語(正規と重複)、ポルトガル語、ハンガリー語、ロマンス諸語、中国語、韓国語、そして、日本語があります。日本語は、選択科目の中で、最も人気のある科目になっています。日本語の場合、2021年度は、入門コースに17名、学習2年目コースに4名が在籍しています。原則、週2回、1回90分の講義が行われます。講義は、コロナ禍の影響を最小とするため、対人(Covid-19ワクチン接種者)とオンライン(未接種者)をハイブリッドで行っています。オンラインには、既接種だが、遠方居住の学生や、講義当日に、たまたま、体調や用事で通学できない学生も参加出来ます(というか、そういう風にしました)。全体が初級レベルにあること、講義数は多くないことを考慮して、教科書には、やさしい一方、、写真など日本話題が豊富な点を考慮して、「まるごと」を使用しています。(入門A1ならびに初級1 A2)。そのオンライン版は「著作権のため」当地では、利用できません。日本でダウンロードして来た分はパソコン内にありますから、オフラインで、閲覧できます。東欧に赴任する方は、要注意です。ブルガリアでも同様事情です。ことし、学習者利用分について、印刷版を日本から取り寄せました。教師使用分は、印刷版を日本からすでに携行してきました。講義は、「まるごと」を中心に進めて、文法事項を教師の作成資料で補完しています。日本語ペラペラになるより、日本語の特徴を理解してもらう方が、言語学部であり、かつ授業時間が限られている中では、妥当な目標かな、と勝手に目標設定をしました。総選挙や、眞子様結婚など日本のニュースも取り入れている。また、希望者には、茶道や組紐の体験会を提供している。

授業の現状です。入門コースでは、まず、ひらがなの習得から始めました。ひらがな習得の必要性の有無については、いろいろな意見があるでしょうが、わたしは、ひらがな習得を強く推奨し、初期の講義の多くを、ひらがなにあてて、書き取り宿題も課しました。ついで、定石どおり、ひらがな単語の練習をおこないました。字形については、悪筆のわたしを超える人も数名います。それぞれの書き取りに、コメントを付けて返却しています。間違いの例には、助詞の「は」を「わ」と書く例、同様に「を」を「お」と書く例があります。また、カタカナに進んでからは、ひらがな、カタカナの使用範囲の不適切が少なからずあります。すべて、カタカナだったりして、びっくりします。ワタシワ…ガ デキマス、などなど。こうした、不思議な例については、ときどき、まとめて、全体講義の中で取り上げて、注意を喚起しています。