2023年7月3日

第9回ヴロツワフ・レポート(最終回)

ヴロツワフ経済大学

小 山 良 夫

■夏真っ盛り:

-木々の緑色が深くなり、日差しも強くなって夏は今が盛りです。でも真夏といっても気温は15℃~25℃位で、湿度は低くカラッとしており、木陰に入って直射日光を避けると、涼しくて快適です。

-しかし急に空を黒い雲が覆ったかと思うと、雷音が轟いてシャワーが始まることがしばしばあるので、外出する時は携帯傘の持参が欠かせません。こちらの人は多少の雨が降っても傘を差さずに雨の中を悠然と歩いている人が多いのですが、このシャワーが突然始まると、さすがに皆走って近くの店に飛び込んで雨宿りをしています。

-6月も半ばを過ぎると、学生たちは休暇モードに入って、大学内も寮も学生の数が急に少なくなりました。6月下旬の公式の試験期間が来る前に、レポートや早目のテストなどを終了した学生は、親元に帰ったり旅行に出かけたりと9月まで続く長い夏休みを大いに楽しんでいるようです。

■日本語授業の様子:

-6月の授業は普段の月とはちょっと違った感じです。普段は良く出席している学生が突然続けて休んだりします。他の学生に理由を聞くと、レポート書きや早期試験の準備ためなかなか授業に出られないとのことです。日本語の授業は単位とはならないため、特に単位取得が必要な学生にとっては、優先順位がどうしても低くなってしまうのです。

-この1年間の授業の最終段階で、クラスの出席者が少ない日に学生にJLPTへの関心を聞いたところ、多少関心を示したのでJLPTN5レベルの簡単な模擬テストをやってみました。まだ初級の半分しか学習していないので(「げんきI」を終了)、少し早いとは思ったのですが、結果は高得点者でも60%弱で、やはりかなり難しかったようです。

―中級クラスの参加者にもJLPTのN5、N4レベルの簡易模擬テストを試みに試してもらったところ、個人差がかなり大きく出ました。N5、N4レベルを悠々パスしたものから、N5をかろうじてパスしたものまで様々でした。やはり漢字がかなりの障害となっているようです。

-学年末の授業の終了がはっきりしないまま、ズルズルと休暇になだれ込んでしまうのを防ぐ目的もあって、1年間の授業の総括として、6月21・22日の最終授業で「日本語授業の修了書」を手渡すことにしました。コーディネーターのMr. Gに相談したところ大変乗り気で、上司とも相談して学部長と私が共同署名した立派な修了証を、大変手際よく準備してくれました。

-この策略は成功し、初級クラスの受講者14人の内12名、中級3名のうち2名が最終授業に出席してくれて、コーディネーター同席の場で一人ひとりに修了証書を手渡すことができました。その後、最終日は普段の授業の代わりに、折り紙のワークショップを実施し、一般に人気の高いカブト、紙風船、折り鶴、飛ぶカエル、手裏剣などを一緒に折って最後の授業を楽しみました。授業の最後に、学生たちがメッセージやプレゼントに込めて1年間の授業への謝意を表してくれて、大変嬉しかったです。

■文化的な活動:

-「波」での「阿波踊り」の練習が6月17日に行われ、日本人6名ポーランド人8名が参加して、ビデオを見ながら阿波踊りの基本的な「女踊り」と「男踊り」を約1時間余り練習しました。その後鳴り物の「太鼓」と「篠笛」、「鐘」の練習を30分程行いました。

-7月1日には、「波」の恒例の出演イベントの一部として、ヴロツワフから40㎞ほど南にあるヴロツワフ大学の植物園で、「阿波踊り」の練習を行いました。10名ほどの「波連」のメンバーに一般参加者も加わって、郊外のさわやかな自然の中で、真夏の午後のひと時気持ちの良い汗をかきました。

-6月2日にLegnicaで行った市役所との打ち合わせに基づいて、6月16日(金)にM先生と共にLegnicaを再度訪問し、11時から2時間ほど「折り紙ワークショップ」を実施しました。対象は15名ほどの地元高校生とのことでしたが、時間が来て引率の先生と共に参加者が入場した時には驚きました。軍服を着た大柄の生徒12名がゾロゾロ入ってきたからです。途中2名ほど退席しましたが、残りの10名はみな熱心にワークショップに参加し、折り紙の応用に関するビデオも真剣に視聴していました。主催者のLegnica市の意図はあまり良く分かりませんでしたが、ともかく良い体験となりました。

-6月17日(土)にヴロツワフ大学で開催された日本研究発表会に私も招待され、「日本の妖怪」というテーマで約30分ほど英語で発表しました。当日は主にポーランド人の日本研究者の発表が中心で、縄文・弥生時代の比較から、日本の伝統音楽・現代美術、日本の現代社会・経済の研究など多様でした。出席者は30人ほどで、主催者のProf. Malinowskiともお会いして挨拶することができ、どうにか私の役割は果たせたように思います。

-ヴロツワフ経済大学で、来年度の日本語クラスのプロモーション・ビデを作成したいということで、6月19日(月)にインタビューを受けました。日本語クラスではどのような授業を行っているかを、高校を新規に卒業する若者を対象に紹介する目的とのことです。

-今後。帰国予定日の7月22日まで約3週間ほど、近々来訪する家族と共にポーランド国内を旅行する予定で、今回が本年度最後のレポートとなります。 (以上)