早いもので、こちらに来て半年です。町は、今、新緑で覆われ、夜明けは早くなり、日没は遅くなり、夏至に向かって日毎、日が長くなっています。

今月は、学生が半分に減って、かなり気持ちが落ち込みました。レッスンの中身が難しくて、ついていけなくなったのか、他の事で忙しいのかとか考えました。動機が弱いと、ただで習っているからやめるのが容易なのかなとかも考えましたが、私にはわかりません。

今月最後のレッスンには3名しか来ませんでした。その人たちはみんな、前から日本語を学んでいた人達です。ひらがなやカタカナを習得していない人達は、ついていくのがきつかったのかなと思っています。レッスンが進んできましたから。

高校生の学生に「高校生の他の女の子たちなぜ来なくなったのかな?」と聞きました。「おそらくマトゥラ(卒業試験)が差し迫っているのが原因じゃないか。」と言います。小学生の女の子たちは、ついていけなくなったのかな?ひらがな読むの大変そうでしたから。春に日本旅行に行くと張り切っていた人は、「費用が高すぎるのでギリシャに行くことにした。」と言ってから、来なくなりました。その人は動機がなくなったから来なくなったのかなと考えたりしています。シニアの3名は、一人は日本旅行に行っているのか欠席で、もう一人は忙しそうですが、単発的に出席。もう一人は、英語が分からないからとやめてしまいました。

そんな中、4月中旬イースター休みが始まりました。金曜日しかレッスンがないので、この度もイースター休暇にかかって、4月は3回しか授業をしませんでした。

 そんななか、教育向上財団主催の日本文化イベントが26日開催されました。私は和紙人形プレゼンテーションをしました。母の作った和紙人形や千代紙を持参し、着物を着て、パワーポイントプレゼンテーションとともに、日本の和紙文化を紹介しました。10時と12時に2回やりました。10時には5人の聴衆、12時のには15,6人来ました。2回目は狭い教室が人でいっぱいになりました。ほとんどがシニアでした。タチアナさんが、原稿を翻訳をしてくれて、当日も私の横で、ポーランド語で通訳しました。終わった後、参加者が和紙人形を見に来ました。そして千代紙はどこで買えるのかなど聞かれました。ポーランドやチェコ、スロバキアなどのお土産にとうもろこしの皮で作った人形があるので、彼女たちも作ろうと思ったのかもしれません。写真は、一回目のプレゼンの後の記念写真です。

 その日はプレゼンの後、折り紙のワークショップでイエレニアグーラに来てくださった小山先生と私とで、ポーランドのシニアの人たちと、日本や日本文化について話し合うミ―ティングがありました。「ポーランドに来て驚いたことは何?」と聞かれました。私は、「それは初めて来た21年前の事だけれど、初めてあいさつを交わした時、手にキスされたことです。」と答えました。「とても驚きましたが‥‥そのあいさつ好きでしたよ。」と付け加えたら、会場ではどっと笑いがわきました。イベントでは大和夫妻が炭坑節を参加者たちと踊り、私も着物を着かえて、参加しました。センター長のヨーラさんに、「イベントは大成功でした。本当に感謝しています。」と言われました。プレゼンの原稿を、イースターでポーランドに遊びに来たアメリカ人の友達にチェックしてもらったり、スライドの順番などに、アドバイスをもらったりして、頑張った甲斐がありました。日本語の学生2人も来てくれました。彼らは「とても興味深かった。」と言っていました。イベントの後、財団長のヨーラさんと、ポーランド語の先生のイダさんが、小山先生と私を郊外にあるミニチュアパークへ案内してくれました。そこではポーランドの古い建築物、宮殿や城が地形とともに再現されていて、私たちはガリバーの気分になりました。

 翌日も、ヨーラさんが朝から小山先生と私を、双方向体験型博物館に案内してくれました。この町の資産家一族がかつて持っていた館をそのままに内部を超近代化して作った博物館です。古いクローゼットの扉を開くと、亡霊の姿が浮かび上がり彼が自身の人生を語り、どこで生まれてどんなことをしてどこで死んだとか。そのあとは、小山先生の希望で、シルビアという日本庭園に行きました。森の道は、車が通れなくて、しばらく森を歩いて、小鳥の声や、小川の水の音を聞きながら‥‥素敵な森のハイキングと言いたいところですが、前日の疲れで、私はへとへとでした。シルビアの日本庭園を見て、そのあと、小山先生の電車時間に合わせるべく大急ぎで、ポーランドのスープをごちそうになり、先生を送り家に帰りその日は早々と休みました。

 翌日、財団第三ステージアカデミーのレクチャーで、生きがいプレゼンテーションを再びやりました。60人くらいが来ました。フォークダンスクラブの顔見知りの人たちも何人かいました。スライドのユーチューブの映像がなぜか映らなくで、困りました。前にやった時は何の問題もなかったのに不思議です。終わってから、聞きに来ていた二人に、「今度日本語勉強しに行きますよ。」と言われて、うれしかったです。「来年もあなたが教えるのでしょ?」と言われたので、「いいえ、私じゃなくて、今度は新しい男の先生ですよ。ぜひ来てください。」と宣伝しました。

 今月は、イースター休みにはるばるポズナンから古賀先生も遊びに来てくださり、楽しい数日をご一緒しました。話に花が咲き、本当に楽しかったです。以上今月のご報告です。