ヴロツワフ経済大学

小 山 良 夫

気候の変化と生活:

―11月に入って、当地の気温は日照時間の短縮とともに急に低下し、早朝には零度を下回ることも珍しくなくなりました。同時に、日中に太陽が出る日も少なくなり、どんよりとした曇り空の日が多くなりました。高緯度のヨーロッパの国では、陰鬱な冬の季節を楽しく過ごす趣味などの知恵がどうしても必要です。

―この頃になると生活のリズムもほぼできて来ました。月曜~木曜の授業のある日は、当日の配布教材のコピーと授業の実施、授業後の出欠や宿題の記録整理と、翌日の教材の準備を中心に、結構慌ただしく過ごします。そして金・土・日を利用して、洗濯や掃除・買い物などをしたり、毎週水曜日にあるポーランド語の授業の勉強をしたりします。また、毎週木曜日の昼食は、ICEAの他の教師と市内にある日本食堂に一緒に出掛け、ご飯とみそ汁の日本食を味わいながら雑談するのも楽しみの一つです。

―11月中旬からは、ヴロツワフの旧市街地の広場にクリスマス・マーケットがオープンし、連日多くの人で賑わっています。

■日本語の授業:

―11月に入って、日本語の授業は本格的になりました。週2回の授業でクラスの授業は比較的テンポよく進み、昨年の週1回のクラスと比べて、モチベーションの維持には良い効果を生んでいると思います。12月3日時点で、13回目の授業を終えたところです。

―初級の2クラスは当初21名・22名の登録でスタートしましたが、1カ月半経った時点でいずれも毎回15~16名の参加者があり、ドロップアウト率はそう高くはありません。

―初級クラスは、11月中旬にひらがなを終えてカタカナに入りましたが、これも12月上旬には終えて初歩の漢字に移行する予定です。同時に11月上旬から「げんきI」のテキストを学習し始め、現在2課をほぼ終えようとしています。1課4回の授業のペースです。

―中級クラスは、当初3人が登録しましたが、前回報告のように11月上旬に1人が他授業の多忙のため中退し、現在生徒2人で進めています。教材は、会話、文法、ニュース、多読教材、漢字といろいろ用意して、単調にならないように努めています。

―これからクリスマス休暇までにそれぞれ6回の授業がありますが、学習者のモチベーションが純粋に日本語への知的関心であることを考えると、授業が単調にならず、絶えず興味を継続してもらえるような授業を心がけたいと思っています。

―毎週水曜日の午前中に参加しているポーランド語の授業は、11月末までに6回の授業があり試験が一度ありましたが、まあ何とか続いています。日本人留学生4人も参加しているので、彼らと顔を合わせて情報交換するにも良い機会です。

■文化的な活動:

―今月は特筆するような文化的な活動はありませんでしたが、12月17日(土)に“波”で予定されているクリスマス・パーティー(忘年会?)に、他のICEA教師たちや日本人留学生たちと協力して参加するための出し物、「阿波踊り」の準備を進めているところです。

―11月11日~13日にかけて、独立記念日の祭日を利用して、昨年の赴任地ジェシュフを訪問し、今年度派遣中のICEAの先生2名とお会いして情報交換をしてきました。また11月12日(土)の夜には、Koi Koi Foundation設立1周年の記念会合に参加し、マテウシ先生やモニカさん等旧友たちと再会して旧交を温めることができました。

■その他:

―11月中旬から、サッカー・ワールドカップ大会がカタールで開催され、日本とポーランドが予選リーグに参加していますが、その試合の実況中継がテレビで放映され、連日ゲームの勝敗が大きな話題になっています。

―特に日本が強豪ドイツとスペインに勝利して、決勝トーナメントに進んだことは、ポーランドでも驚きをもって報道され、日本人気が一気に高まりました。ポーランドも予選リーグを勝ち進んで決勝進出が決まったため、この興奮は12月中旬までまだ継続しそうです。(我々にとっても、陰鬱な天気が続く中で一服の清涼剤となってくれています。)