2023年3月3日
第5回ヴロツワフ・レポート
ヴロツワフ経済大学
小 山 良 夫
■春の気配:
ー今日は3月3日の桃の節句、昼の時間がずいぶん長くなってきたのを感じます。まだ最低気温は-2~-3℃で外を歩くと空気が冷たいですが、日中の気温が5~6℃から時には10℃近くなり、春の気配を感じます。これまでどんよりとした曇りの日が多かったのが、先週は3日も青空の晴れた日が続き、公園の庭にも小さな花が咲いて、池に来る水鳥たちも動きが活発になってきました。
―大学は2月上旬からしばらくは、試験休暇で学生が帰省していて閑散としていましたが、先週から新学期が始まり、寮にも学生が戻ってきて少し騒がしwoくなりました。学生たちの服装もまだ多くは冬のコートや帽子を身に着けていますが、既に手袋やマフラーを取って薄着で歩いている若者も時々見かけます。人々の服装も季節を表しています。
■日本語授業の関連:
―2月3日から試験休暇がスタートし、2月28日まで約1カ月間授業が休みになりました。これは夏休みに続く長い休暇で、旅行にでも出かけたいところですが、生憎季節が冬で昼の時間も短く、北ヨーロッパは旅行に適した時期ではありません。私としては近場に1泊2日程度の小旅行を何度かして気分転換を図りながら、夏学期に向けて教材の準備を集中的に行うことにしました。
―この休暇の間に、日本語クラスの担当がKatarzyna先生(女性)から新たにRafal Gola先生(男性)に代わりました。Katarzyna先生はとても実務的で、ミニマムの接触で効率よく日本語クラスの情報を授受し、教室や学生の管理、成績の報告等を問題なく処理して頂きました。今回の交代は大学内人事の一環だろうと思いますが、少し残念な気もします。新しい担当のRafal Gola先生は英語担当の先生ですが、ポーランド語の先生も兼ねており、後述するように毎週新しいポーランド語の授業で会うことになったのは好都合です。前任からの引き継ぎを良くして頂き、スムーズに新学期を進められることを願います。
―そうこうするうちに1カ月ほどはあっという間に過ぎ、3月1日から夏学期が始まって、私も休暇中に準備をした教材を携えて初回の授業に臨みました。担当のクラスは先学期から継続することになり、初級2クラス、中級1クラスの担当は変わりません。
―初級2クラスの初回の授業参加者は、期待していたよりかなり少なく8人と6人の合計14人でした。しかしこの14名は、皆先学期から熱心にクラスに参加してくれた者ばかりで、初歩の日本語力はほぼ身についていると言えるので、クラスの運営はやりやすくなったと言えます。初回の授業で早速新しく準備した教材の紹介をしましたが、手ごたえは上々といった感触を得ました。
ー中級の2名の学生も、揃って初回の授業に参加してくれました。前学期の授業の教材に、学習者の希望を更に反映させた新しい教材の説明をして、確かな手応えを感じました。
ーこれから6月下旬までの約3カ月半に亘って、30回の授業を各クラスの学生と行う事になりますが、最終的にどの位の人数の学生が、「日本語を1年間勉強して楽しかった。これからももっと自分で勉強を続けていきたい。」と言ってくれるか、新たにチャレンジをするつもりで授業に臨みたいと思います。
―前学期から始めたポーランド語のクラスは、今学期も続けたいと思っていましたが、前学期のEwa先生のクラスが日本語の授業と重なって出席できなくなり、やむを得ず別の先生の初級クラスに再度参加することにしました。ところがこの先生が、新しい日本語クラスの担当となるRafal Gola先生であることが分かり、毎週1回授業でお会いするので、今後の意思疎通には好都合と思われます。
■文化的な活動について:
ー2月の1か月間に「波」の活動に幾つか参加し、ポーランドの人達と一緒に楽しみました。
1) 2月4日:ズーレック・スープ・ワークショップ
・波の主催者Maciejさんと奥さまにより、日本人を対象にポーランドの伝統的スープ「ズーレック」を作る料理教室が開かれ、7名の日本人が参加して伝統の味をあじわいました。
2) 2月19日:裏千家お茶の会
・ヴロツワフ在住の大橋よし子さん、杉田恵子さんの2人の女性が主催し、ポーランドの12名の若者が参加して、お茶を楽しむ会が催されました。我々日本人も招待され、テーブルでお茶を相互に立てて頂くワークショップを楽しみました。
3) 2月25日:阿波踊りクラブ「波連」が発足
・「波」の主催者Maciejさんが呼びかけ人となり、日本語教師M先生と私が協力指導者となって、ポーランド人の若者を募り、阿波踊りクラブ「波連」が発足しました。当日は日本から取り寄せた阿波踊りの衣装を着た男女の若者が、指導者と一緒に阿波踊りの練習の映像を見ながら約1時間踊りの練習をしました。
ー2月の試験休暇を利用して、1泊2日のポーランド国内旅行をしました。
1) 2月10~11日:Krakowに一泊して、Krakow東方30㎞にあるポーランド最古のBochnia岩塩坑を見学に行きました。当日は、現地に住んでいる日本語学習者のSさんが、街の中や岩塩坑内を丁寧に案内をして下さいました。
2) 2月17~18日:ヴロツワフから北に150kmにあるポズナンを1泊2日で訪問しました。現地では日本語教師のK先生がご案内下さり、一緒に教会や博物館を見学したり、和食を楽しみながら色々日本語教育のお話などをすることができました。