2023年4月3日

第6回ヴロツワフ・レポート

ヴロツワフ経済大学

小 山 良 夫

■三寒四温:

-最近の当地の気候はあまり安定せず、数日最高気温が15℃にもなる暖かい好天の日が続いたと思うと、急に最低気温が零下を下回る日が来て、小雪がパラついたりして、三寒四温といったところです。着るものも冬着と春着を交互に取り出しては天候を見て着替えたりしています。

-しかし春は着実に訪れつつあり、桜に似た小ぶりのピンクの樹花が満開となり、その下で黄色の山吹の花が鮮やかに咲いています。先日3月25~26日の早朝、冬時間から夏時間に切り替わり、時計を1時間早めました。日本との時差は、再び7時間となりました。

■日本語授業の様子:

-3月1日から始まった夏学期もほぼ3分の1が過ぎ、授業の方も軌道に乗ってきました。クラスへの出席者もほぼ安定して、初級2クラスは各8人と6人の出席者、中級クラスは従来の2人に加えて1人が新たに加わり、3人になりました。

-3月20日から、初級クラスに中途参加者が加わりました。この学生はアニメが大好きで、日本語は自習で数カ月勉強してひらがな・カタカナ・漢字を多少学んだ後、日本語クラスの存在を知り、中途からの参加を希望しました。文法等はクラスより遅れていますが、会話の滑らかさは抜群で、学習への意欲は大変強いです。

-中級クラスに新たに加わった1名は、以前当大学で日本語を3年間学習し、その後卒業してからも自習で1年半勉強していましたが、ぜひ勉強を続けたいと今回参加しました。日本語の実力は他の学生よりも頭一つ抜けて優れており、他の学生たちに大変良い刺激を与えています。

-初級の教材は、「げんきI」をベースに「げんきI ワークブック」も加えて基本教材とし、1課を4回のペースで週2回の授業スピードで進めています。これに加えて、多読教材、会話教材、ビデオ等を組み合わせ、これに宿題として漢字(N5, N4レベル)を課して、楽しめる授業にするように努めています。

-中級教材は、特に教科書は使わずに、対話教材、初級文法レビュー教材、レベル別多読教材、ニュース教材等を組み合わせ、これに漢字(N4, N3, N2レベル)を宿題として課して、異なるレベルの学生に対応するようにしています。

-残り2カ月半ほどで、初級は「げんきI」12課終了を目標にしています。中級は共通の目標はありませんが、それぞれのレベルで文法レビュー、読む・話す・聴く力についてバランスよく学習が進められるように、学生の希望を聞きながら工夫していくつもりです。

-ポーランド語のクラスは、これまでの先生の授業時間が、私の日本語クラスと重なってしまうため、新たな先生の下で、10名ほどのエラスムス交換留学生(仏、独、伊、トルコ、エストニア、日本等)と一緒に、初級から再スタートしました。前学期の復習の部分もあり、負担は少し軽減しましたので、週1回(木)1時間半の授業を楽しんでいます。

-大学のInternational Support CenterのICEA担当者Ms. Joanna Gwozdzが、4月末に交代するという話が、本人からありました。約1年間の短期間の任期でしたが、ICEAにとっては契約書類交換の担当窓口であり、私個人にとっても住居の手配や教材のコピーなどでお世話になっており、ちょっと残念な気がします。

■文化的な活動など:

-今期の主要な文化活動は、「波」において3月6日から毎週金曜日の16:30~18:00に「折り紙教室」を開始したことです。期間は5月5日まで全8回のシリーズで、参加者は年齢10歳以上の10名限定、英語の説明が理解できることが条件です。10名の定員は開講1週間前にすでに満員となり、私の推薦者3名以外の7名は、「波」の日本語学習者などの11歳~16歳の若者です。

―「折り紙教室」は既に3月末までに4回開催しましたが、皆熱心に参加し、毎回4~5種の課題に取り組むほか、宿題に出した課題もきちんと提出してくれています。各回に異なった折り紙の応用に関するビデオを2~3本見せて、折り紙が単なる子供の遊びではなく、科学・技術や美術・建築等に広く影響を与えていることを知ってもらうように努めており、皆それらのビデオを熱心に見ています。

-その他「波」の活動として、前回報告したように「阿波踊り」の連に参加して、各週一回土曜日の2~4時にM先生と一緒に練習の指導に当たっています。ポーランド人のメンバーはまだ少ないですが、参加者は熱心に踊りの練習に参加しており、今後メンバーが更に増えて、ポーランド初の「阿波踊り連」に発展していくのが楽しみです。