4月と5月の報告をまとめてさせていただきます。
言語学部ブラジェ・コネスキは5月23日までで講義を終えて、一週間の試験準備期間を経て、6月の試験週間に入りました。言語学部のアカデミックカレンダー上は24日までなのですが、その日は「聖キリル・メトディウスの日」で祝日のため、実質的にその前日までに全ての担当授業を終えられるように調整しました。他学部からの受講生もいますが、言語学部のカレンダーとちょうど一週間遅れ(つまり、5月末日まで)で講義を終えるようになっており、コンピュータサイエンス学部や医学部は若干ズレがあるようでした。後期の授業進捗は以下のようになりました。
◎ 日本語2(シラバス上の科目名: Japanese language 2)
『まるごと入門 A1』 第7課から第12課まで。
正規の受講生に加えて、聴講希望が3人おり、学部長に相談した上で受け入れました。学生数が増えた分、だいぶ活発的な雰囲気になりました。学習アプリを使って教室アクティビティとして積極的に実践しました。クイズアプリで一度学習セットを作っておけば、学生たちは自習できますし、単語学習に関しては宿題としてもアプリを利用しました。クイズ問題のタスクをクリアして、宿題をちゃんと提出してくれた学生の単語力は、その後の授業内で見る限り、確かに定着していると感じました。来年度も新クラスで使えますので今後も学習セットを作成していきたいと思います。
今回の範囲では、第7課・第8課は比較的学びやすいトピックで「~あります・います」の単元なのでロールプレイも難なくできました。第9課以降になると基本的な覚える単語が増えてきて、たとえば、時間、動詞、曜日、日付関連単語など、大変なことは目に見えていたので、クイズアプリで事前に予習することを宿題として課して、学生達をサポートしました。短期記憶は大丈夫でしたので、そこから長期記憶にもっていくために自己管理して復習も頑張ってほしいところです。
◎ 日本語4(シラバス上の科目名: Japanese language 4)
『まるごと初級1 A2』 第7課から第12課まで。
日本語4は旧カリキュラムだと日本語の最後の科目です。A2の中盤レベルになると基本的な活用や単語がきちんと身についているかどうかで差が見えてきたことは否めませんが、受講生は前期の日本語3からついてきた学生達と二年前に日本語3を履修した学生からなり、日本語学習が好きな学生達です。形容詞の活用と接続詞の使い方、動詞て形、る形(辞書形)の学習では、レッスン該当ページだけでなく、本冊巻末の文法まとめを何度も見て、「教科書を使いこなす!」ということも教えてきました。受講生からは、「この科目が終わると日本語にふれる機会がなくなるため、自由時間を使って「日本学」(歴史、日本文化、地理等々)のようなことを教えてほしい」という要望もありますので、何か検討したいと思います。(・・・そうはいうけれども、実際に参加するかどうかはまた別問題でして、よっぽど士気が高い学生でないと結局来ない可能性もあるため、やるとしたら8回ぐらいの短期講座から始めてみるのがいいかなと思っております)
なお、来年度から新カリキュラムの学生が日本語を選択できるようになり、日本語1から6までとなります。現在の授業ペースから考えると、日本語1から3で『まるごと入門 A1』が終わる計算、日本語4から6で『まるごと初級1 A2』が終わる計算です。学生の理解度に合わせると、これぐらいのペースがちょうどよさそうです。
◎ 第二期(後期)課外授業 日本語コース
いろどり入門 A1 第7課から第11課まで。
課外授業は非常に積極的で、いつもモチベーション高く授業をすることができました。5月中に前期に終えた課外授業の修了証書授与式を、私主導で行いました。学部長挨拶、学科長挨拶、他学部教授からの挨拶、外国語講師挨拶など、すべて企画から運営まで取り仕切りました。言語学部から学部長のサイン付きでCertificateとして努力の形跡が残るので、ある程度達成感を共有することができたかと思います。課外授業は普段オンラインでしたが、受講生たちと修了式で初めて対面で会えて嬉しかったです。出席者全員で集合写真も撮り、良い日になりました。
さて、大学の日本語教育の進捗は以上ですが、学外活動もまぁまぁ忙しく、実にいろいろなイベントに参加させていただきました。時には、日本語教師の専門分野ではない日本文化のレクチャーを頼まれることもありましたが、何とか準備すれば出来そうだと判断したものは良い機会だと捉え、受けるようにしました。しかし、専門分野ではないことをある程度レクチャーとしての形を整えるために学習し、一から資料を作ることになりますので、同じ週に他のイベントが重なると結構大変でした。北マケドニアは日本語教育以外にも日本人として活動を求められる場面が多く、日本文化から何か新しいことを学びたいという方々にもたくさんお会いしました。成長のチャンスはたくさんありますが、全てを受けていてはキリがありません。どのように学外活動を展開するかは今後もイベントの内容やそのコンセプトをちゃんと聞いて、納得のいく内容で受けていくようにしたいと思います。
後期の終わりにもなってくると、現地の友達や学生と出かけることも増えてきました。楽しく生活できて有り難いなと思っております。友人らとロープウェイを使ってミレニアムクロスまで行って、山頂でピクニックしてきました。また、学生達とマトカ峡谷と洞窟(鍾乳洞)にも行ってきました。大自然にふれてリフレッシュした感じがあります。学生達と一緒にどこかに出掛ける時間はかけがえのない時間でした。今後も大切にしていきたいです。
ミレニアムクロス ロープウェイからの眺め マトカ峡谷
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