ヴェリコタルノヴォ大学

 昨年10月1日の入学式からはや3カ月、新年の1月5日から大学が再開した。日本語センターに、ブルガリア人の日本語教師が4人いて、5人目の私は1年生(22人)、2年生(16人)、4年生(11人)を隔週で週に一コマ担当している。授業のほかに、毎週火曜日に日本文化クラブを開き、授業で日本語母語話者に接する機会がない3年生を補っている。2年生有志の希望で、毎週書道クラブも開く。4人の教師とのやり取りは日本語で、「困ったことはないですか」など、私をサポートしてくれている。。

 1年生は、初めて日本語に触れる学生もいて、みんなの日本語初級1からのスタートだ。他言語に移る学生もいるらしく、学年が上がるに連れ学生数が減るようだ。4年生は、みんなの日本語中級Ⅱを読みこなす。日本の伝統芸能や文化の世界観を問う評論文などもあり、日本の中高生でも苦戦する生徒がいるかもしれない読解力に驚くこともある。京都と大阪の大学留学(1年間)から戻った3、4年生が一人ずついて、彼らに助けてもらうことが少なくない。

 文化クラブには、3年生以外もやってくることがあり、参加者の顔触れやを見ながら、毎回内容を工夫している。初回は、「雨がシトシト降る」と「ザーザー降る」の擬声語による雨の降り方の違いなど、擬態語などを扱った。CDを聴きながらの聴解も。日本を旅行したことがある学生に、日本で驚いたことなどを写真などを見せながら発表してもらい、私や聴講学生らと日本語で質疑する試みもした。日本語新聞の投稿欄の輪読も。高校生や大学生ら同世代の投稿を読んでもらうと、日本の同世代の考え方に興味を持つようで、意外な効果かもしれない思う。

 書道では、漢字には一文字ずつ意味があることを説明した。意外にも字画数の多い漢字を書きたいというので、日本語書棚に並ぶ書籍の背表紙から、漢字の意味を拾いながら書く漢字を選んだ。「愛情」に決まった。「愛」とは、妻や恋人、家族への愛から、自然への愛、物などを愛する「愛用品」「愛車」「愛読書」などなど、辞書をめくりながら、自分が教えられているのだと気づかされた。

 人口7万。宿舎があるキャンパスから、中心街まで徒歩20分ほど。第二次ブルガリア帝国(12〜14世紀)の首都で、旧市街地の石畳を歩くと、中世史をめくるような路地に迷い込む。ブルガリア国内から観光客が訪れるのもうなずける。正教会のコバルトブルーの屋根を眺めながら、歩いてスーパーに買い物に出かけるのもまた風情がある。