基本情報

ウッジ工科大学の授業はそれぞれのレベルに合わせて、伝統的にクラス名が決まっています。

完全初心者を対象としたクラスはクラス名を「ゼロ」といい、今回は現地報告を兼ねてこのクラスを紹介します

詳細

まず、このクラスは学生が完全初心者である以上、日本語の学習はあいさつとひらがな・カタカナの導入から入ります。昨今ではWebも発達しており、日本の情報を取得することは容易なことから、すべての生徒が「日本語はアルファベットではなく他の文字を使う、それはひらがな・カタカナ・漢字というらしい」くらいのことは説明しなくても知っています。よってひらがな・カタカナの導入は割とスムーズに進みますが、導入することとそれを覚えて使えるようになることは全くの別物です。異文化の文字の習得は本当に大変で、今は読むこともなかなか進まない状況の中で文法を獲得したり語彙を習得したりしています。

クラスの学生はほとんどがポーランド語を母語とするポーランド人で、そのほとんどが日本人の大学生の平均以上の英語力を持っています。そのため、授業は英語を活用した間接法のようなものが可能で、コミュニケーションを取ることは難しくありません。しかしその多くが大学生らしいシャイな性格を持っていて、自分から進んで話しかけてくることはないため、距離感を保ちつつも会話ができるように工夫する必要があります。

私が日本語初心者と出会って意外に感じたのは、彼らは我々が思っているほど日本文化に興味があるわけではい、という点です。このクラスでもアンケートを取ってみたところ、日本文化そのものへの興味は全体の40%以下であり、学生のほとんどは日本と関係のない趣味を持っています。それでも日本語の講座に参加する動機としては、

・日本というよりはアジアの国々に興味がある。日本はその中で一番良い

・言語学習という趣味を拡張したい。日本語はちょっと難しそうなので、チャレンジしたい

・日本にはそこそこ興味がある。恋人と一緒に何かに打ち込みたいし、講座の時間帯もちょうど良い

あたりが有力でしょう。このため、何かのイベントが重なると日本語講座の優先順位が下がり、離脱率が上がります。よって、生徒が学習を続けるためモチベーションを作って維持していくことがこのクラスでは非常に重要です。しかしこれは逆に言うと、これから興味度が上がっていく段階であるとも言えるため、教科書をなぞるだけの授業ではなく小ネタを色々と織り交ぜて進めていくことが非常に効果的であり、興味を向けてくれる一因にもなります。

そんなわけで毎週の準備が大変で手のかかるクラスではありますが、授業は毎週楽しんで進んでいます。できなかったことができるようになる、という達成欲求を満たす行為は大学生(特に一年生が多いこのクラスの学生)にとっては非常に刺激的なことであり、日々新しいことを習得できるように授業をアレンジしていこうと日々工夫しております。

 シャイな学生達は写真を撮ることも肯定的ではなかったので、残念ながら今回の写真添付はありません。次回を楽しみにしていてください。

以上。